吉本の「闇営業」問題に菅官房長官が言及で古舘伊知郎らが辛口意見

(2019年7月22日)

吉本の「闇営業」問題に菅官房長官が言及で古舘伊知郎らが辛口意見 コメントする古舘(24日放送のTBS「ゴゴスマ」から)

吉本興業タレントによる反社会的勢力相手の「闇営業」問題は24日、菅官房長官が「クールジャパンのコンテンツの担い手として法令順守の徹底などについてしっかり説明することが重要ではないか」と言及するなどさらに波紋を広げている。 「闇営業」問題に端を発した吉本興業の一連の騒動で「経営陣が変わらなければ会社を辞める」と退陣を要求した加藤浩次(50)をはじめ、吉本の芸人たちが相次いで不満の声を上げる前代未聞の事態になっている吉本興業だが、24日放送の「ゴゴスマ」(TBS系)によると、同日午前、菅官房長官が記者会見で、「個別企業のコンプライアンスにかかわる問題にコメントすることは控える」としながらも、官民連携の「クールジャパン」関連事業に吉本興業がかかわっていることに関連して「一般論として申し上げればクールジャパンのコンテンツの担い手として法令順守の徹底などについてしっかり説明することが重要ではないかと認識している」と発言したという。

 コメンテーター石塚氏「(吉本は政権に)近くなり過ぎてるのかな」

これに関連して同番組のコメンテーターのCBC特別解説委員・石塚元章氏は「今吉本興業さんって、よくニュースになるから。(首相)官邸に行かれたり、逆に舞台(吉本新喜劇)に(安倍)総理が来たり、そういう関係をいい意味か悪い意味か別にして、利用しているところがあって、そういうポジションに吉本興業がなっているっていうことがある、いい悪いは別にして。だけど歴史的なことを言うと、どちらかというとお笑いの人たちっていうのは権力になびくんじゃなくて、権力をちょっと皮肉に、シニカルに、はっきり批判するんじゃなくてちょっとシニカルに皮肉ってみたりっていうのが、お笑いの歴史的にいいところ。世界的にそういう気がするんだけど、その割には(政権に)ちょっと近くなりすぎてるのかなっていう気がしていた」と指摘。吉本の安倍政権に対するスタンスに疑問を投げかけた。

 古舘伊知郎「政治とあまりにも密接不可分になるっていうのはどうか」

また、フリーアナウンサーの古舘伊知郎は「一般の人も含めてどういう風に感じるだろうっていうのが変わっていくような気がしますね。やっぱり政治とあまりにも密接不可分になるっていうのはどうかと思いますし」と指摘した。そして「一方で、役者さんとかがアメリカの人たちっていうのはアクター、アクトレス、きちっと政治的な立場を鮮明にしたりするところもあるじゃないですか。日本でそれを役者さんがやると、あんまり政治的に動かないほうがいいと思うよって言われちゃうところがあるじゃないですか。それもおかしなことで、自分がこう思うってことをどんどん自由に言うべき流れになりつつあるように期待はしますけどねえ」と、今回一連の問題で吉本の芸人たちがテレビ、ラジオ、SNSなどで一斉に声を上げているなどの”変化“に期待を寄せた。

 松本人志の呼びかけに友近が異論で吉本芸人が”分裂“!?

反社会的勢力相手の「闇営業」問題に端を発した、吉本興業の“芸人の反乱”をめぐって、加藤浩次(50)が大﨑洋社長、岡本昭彦社長ら経営陣(取締役)の総退陣を求めているのに対して、ダウンタウンの松本人志(47)が「大﨑会長がいなくなったら僕もやめる」と発言するなど意見の食い違いも浮上している。そうしたなか、友近が松本に待ったをかけるなど波乱の展開になってきた。

松本人志は、宮迫博之(49)と田村亮(47)の”号泣会見”を受けて、21日放送の「ワイドナショー」フジテレビ系)で「(岡本社長は)いつからそんなに偉くなったんだ」などと岡本社長の対応を非難し「岡本社長が会見しなければ吉本はだめになる」と社長の記者会見を強く要望していたが、一方では元ダウンタウンのマネージャーでもある大﨑会長がとどまることを要望して、「兄貴なんで、大﨑会長がいなくなったら僕もやめる」と発言していた。

24日放送の「直撃ライブグッデイ」(フジテレビ系)によると、松本は23日のツイッターで「寝不足芸人が一いっぱいやろな~ でもプロ根性で乗り越えましょう 私たちは生まれつきオモロイ」と芸人たちに呼びかけた。現在の体制を前提にしてこの危機を乗り越えていこうと訴えたとみられる。これは大﨑会長が加藤との会談で言ったという「現在の体制で吉本を変えていきたい」という発言と符合する。

これに対して友近は23日の生放送の番組で「大﨑会長、岡本社長との絆が強いと思うので前向きに頑張っていこうという思いをつづられたんだと思うんですね。ただ私はまだ芸人と社長の信頼関係が成り立っていない中で不信感を抱いてしまった。松本さん『待ってください』と思ってしまいました」と話し、松本の発言とは温度差があることを明かしたという。

こうしたことから、吉本の体制に不満を持ちながらも、「経営陣総退陣」を要求する加藤に同調する芸人と、大﨑体制で吉本を変えていこうとする”体制内改革派”松本についていく芸人に分裂する可能性も指摘されている。一部朝刊スポーツ紙は「加藤の乱に大量退社も」と報じた。6000人といわれる吉本所属の芸人が意見を一つにするのは難しいだろうが、”芸人トップ”の意見が割れたことで波乱含みの展開になりそうだ。