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木村花さんの母親がBPOに審議申し立て「人権侵害があった」

(2020年7月16日11:50)

木村花さんの母親がBPOに審議申し立て「人権侵害があった」
(木村花さん=インスタグラムから)

フジテレビのリアリティ―番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん(22)がSNSで誹謗中傷を受けて自殺したとみられる問題で、母親の木村響子さん(43)が、暴力的な女性のように演出されるなど人格権の侵害があったとしてBPO(放送倫理・番組向上機構)に審議を申し立てる書類を提出したことが15日、分かった。

同番組をめぐっては、花さんの試合用の衣装を男性の共演者が誤って乾燥機にかけてしまい使えなくしてしまったことで、花さんが同共演者を叱責して帽子をはたいて落とすシーンがNetflixとフジテレビで配信・放送されたことが発端で、花さんへの誹謗中傷がエスカレートした中で花さんが自殺したとみられている。

■「撮影前にスタッフから『ビンタぐらいしたらいいじゃん』とあおられた」

NHK・NEWS WEB(15日配信)によると、母親の響子さんはNHKのインタビューに、花さんから「撮影前にスタッフから『ビンタぐらいしたらいいじゃん』とあおられた。でも、ビンタはできなくて、苦し紛れに帽子をはたいた。プロレスラーらしくふるまってほしい。1のことを100にして盛り上げてほしいと言われた」と打ち明けられたとして、演出の指示があったのではないかと主張しているという。

また出演者はすべての演出に従うよう求める誓約書が交わされていて、花さんの言動が制限されたとしているという。響子さんは、演出の指示に従って番組内で暴力的な女性として描かれ、人格権の侵害があったとして15日、BPOに審議を申し立てる書類を提出。「第三者の方に公平に調べてもらうにはどのような方法があるのだろうと考えてこういう方法があると知り、たどり着きました」と話しているという。

■響子さん「泣きすぎて過呼吸を起こしていても撮影をやめてもらえませんでした」

響子さんは「人として扱われていなかったと思います。指示された演出が炎上したとき、対応できたことがあったのではないかと思いますが、それを地上波で放送したり、ネット配信で追加したりされました。泣きすぎて過呼吸を起こしていても撮影をやめてもらえませんでした。もし花が自分の大事な家族だったら、恋人だったら同じことができますかと私は思ったし、視聴率とはかりにかけられたときに、公平、公正に見てどうだったのか調べてほしいです」などと訴えた。

■「週刊文春」に共演男性がテラハの「やらせの状態化」を告発

また、「週刊文春」(7月9日号)は、花さんに帽子をはたかれた男性共演者が、生前の花さんから「(帽子をはたいたのは)本心からではなくスタッフに煽られた行為だった」と謝罪を受けていたことを明かし、やらせの状態化も告発したことを報じた。

さらに、16日発売の「週刊文春」では番組スタッフの「花さんが過呼吸状態の中、撮影が強行されていた」という新証言や“追撮”と呼ばれる撮り直しが常態化する実態、また花さんの祖母が語った孫との思い出などを詳しく報じた。

■フジテレビ「感情表現をねじ曲げるような指示、無理強いはしていない」

フジテレビは3日の定例会見で、出演者との間で、撮影の段取りやスケジュールなどについて出演者が指示に従うことを盛り込んだ誓約書を交わしていたことを明らかにしたが「感情表現をねじ曲げるような指示、無理強いはしていない」と”演出“を否定していた。また今回、BPOに審議申し立てがなされたことについては「BPOから連絡をいただいていませんので、回答を控えさせていただきます」と話しているという。BPOでは書類を精査して審議に入るかどうかを判断するという。BPOがこの問題をどう判断するのか成り行きが注目される。木村花さんの無念の自死を無駄にしないためにも真相が明らかにされることが望まれる。