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吉永小百合主演「いのちの停車場」初登場1位 3日間で動員16万人超

(2021年5月25日18:30)

吉永小百合主演「いのちの停車場」初登場1位
「いのちの停車場」左から広瀬すず、西田敏行、吉永小百合、松坂桃李(©2021「いのちの停車場」製作委員会)

吉永小百合(76)の122本目の映画「いのちの停車場」(成島出監督)が21日公開され、週末(5月22日~23日)の観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場1位になった。 2位は前週1位の「美しき誘惑―現代の「画皮」―」、3位は初登場の「地獄の花園」だった。(映画欄の「映画興行ランキング」参照)

「いのちの停車場」の製作・配給の東映によると、5月22日~23日の週末2日間で興行収入1億4844万7440円、動員数13万4643人を記録。21日の公開から3日間の累計で興行収入1億7968万1920円、動員16万1132人を記録した。コロナの感染拡大で3度目の緊急事態宣言が発出され一部地域の映画館は休業を余儀なくされ、都内の映画館も一部を除き12日から休業になっているなかでのヒットとなった。

観客層は主演の吉永小百合ファンを中心に30代、40代にも広がりを見せ、松坂桃李、広瀬すずら若手キャストファンの若年層も劇場に駆けつけるなど、老若男女問わず複数人での来場者が目立ったという。劇場関係者は「(上映後)感動して泣いて出てこられる方が多く、満足度も高いと感じた」とヒットの要因について語った。

「いのちの停車場」は都内の高齢者医療専門病院の内科医で作家の南杏子氏の同名小説が原作で、「八日目の蝉」(2012年)や「ソロモンの偽証 前編・事件/後編・裁判」(2015年)などの成島出監督がメガホンを取り、吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行らのキャストで映画化された。
東京の救命救急センターで働いていた医師の白石咲和子(吉永小百合)がある事件の責任を取って退職。実家の金沢に帰郷して父親(田中泯)と暮らしながら「まほろば診療所」で在宅医として再出発する。院長の仙川徹(西田敏行)や、訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)、そして東京から咲和子を追いかけてきた医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)が加わり、近隣に住む5人の患者を中心に、患者の生き方を尊重する治療を行っていく。命を救う救命救急センターの現場と患者に寄り添う在宅医療の違いに最初は戸惑っていた咲和子だったが、治療が困難な患者たちと向き合いながら、その人らしい生き方を患者やその家族と考えるようになっていく。吉永は初めての医師役で繊細で深みのある充実の演技を見せている。そして若手演技派の松坂桃李と広瀬すずが好演してスクリーンに栄え、西田敏行がベテランの重厚な存在感を見せる。さらに末期の肺がんを患う芸者役の小池栄子、胃瘻患者役の松金よね子とその夫役の泉谷しげる、脊椎損傷の四肢麻痺を患うIT会社社長役の伊勢谷友介、がんが再発したプロの女流囲碁棋士役の石田ゆり子、末期の膵臓がん患者役の柳葉敏郎、8歳で小児がんを患う少女役の佐々木みゆとその母親役の南野陽子、骨折をきっかけにドミノ式に病に冒される咲和子の父親役の田中泯が、それぞれの病魔との闘いと終末への覚悟などをリアルに演じており、在宅医療の現場と生と死のドラマが繰り広げられる。