ジョニー・デップの55億円名誉棄損裁判でアンバー・ハードがDVを詳細に証言する書類提出

(2019年4月12日)

  • アンバー・ハード
  • アンバー・ハード(Instagram/@amberheard)
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  • ジョニー・デップ(Instagram/@johnnydepp
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ジョニー・デップ(55)が前妻の女優アンバー・ハード(32)のDV主張は虚偽で名誉棄損として5000万ドル(約55億円)の巨額損害を請求して米バージニア州フェアファックスの裁判所に提訴した裁判で、ハードがデップのDVの凄惨な実態を主張する書類を裁判所に提出していたことが分かった。米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)が11日、その書類を入手してハードがデップから受けたと主張するショッキングなDVの詳細を報じた。

ハードの主張によると、デップはドラッグや酒でモンスターと化して暴力をふるったという。

2016年5月、ハードはデップとの離婚を申請し、DVを受けたと主張。DVの証拠写真として提出したあざができた顔写真が芸能サイトなどに掲載されてスキャンダルになったのは記憶に新しい。デップはDVを否定したが同年8月にハードに和解金約7億円を支払うことで離婚が成立。ハードは7億円を慈善団体に寄付すると発表した。
そうしたなか、デップはDVを報じた英大衆紙「サン」を名誉棄損で提訴。一方のハードは昨年12月、DVを訴えたことで決まっていた仕事を降ろされ殺害脅迫を受けるなど社会的に“報復“されたと告発する寄稿文をワシントン・ポスト紙に発表した。これに対して、デップは先月、ハードのDV主張はデマで「彼女は被害者ではなく加害者だ」と主張して名誉棄損で5000万ドル(約55億円)を請求する訴訟を起こした。DV問題をめぐって両者の攻防がエスカレートして波紋を広げている。

「デップはドラッグと酒でモンスターになった」

デップに訴えられたハードは全面的に争う構えで、デップのDVの数々を詳細に明かす書類を提出した。デップとは2012年に交際を始めたが、1年ほどたってからデップがドラッグと酒を乱用していることに気付いたという。合法的なナルコティックス(向精神薬)と処方薬だったが、そうした薬物や酒で全く別人のようになり、妄想が激しく暴力的になったという。別人になったデップを「モンスター」と呼んでいたという。

2014年5月、ボストンからロサンゼルスに向かうプライベートジェット機の中で、デップは乗務員に酸素タンクを持ってこさせて大量に酒を飲んで、ハードがジェームズ・フランコと映画でロマンチックなシーンを演じたことに嫉妬して、ハードにものを投げつけ、「ジェームズ・フランコ」と叫んだりしたという。さらに背中を蹴り転んだハードに靴を投げつけるなどの暴力を働いたという。その件ではデップがハードに謝罪して2度としないと誓い、2人は2015年2月に結婚した。

ところが1か月後の同年3月、デップはやめていたドラッグに手を出し、そのことをめぐって言い争いになったという。デップは彼女を叩き床に押し倒したりしたのでベッドルームに逃げ込んでドアをロックしたという。翌朝、階下に行くとデップは起きていてドラッグと酒を飲み続け再び暴力をふるったという。さらには家の壁や彼女の衣服に絵の具やけがをした指から出た血でメッセージを書きなぐっていたという。
その夜デップの暴力はエスカレートし、卓球台に押し倒したりワインのボトルを投げつけたり、髪をつかんだりした。さらには首をつかんでキッチンのカウンターに叩きつけたという。そしてハードが離婚を決意することになった2016年5月のロサンゼルスでのデップのDVなどについて詳しく証言している。

デップは今回の裁判で、ハードがDVの証拠として提出した写真の顔のあざはデップによるものではなく、女優の妹ホイットニー・ハードに顔を殴らせて作ってデップのDVに見せかけたなどと主張。またハードが投げつけて割れたウォッカのボトルの破片で右手中指の骨を砕かれほぼ切断されたとして「彼女は被害者ではなく加害者だ」と主張している。 両者の意見は真っ向から対立しているが、はたして裁判所はどう判断するのか裁判の成り行きが注目される。