スカーレット・ヨハンソン「どんな役を演じても許されるべき」 トランスジェンダー役批判に反論

(2019年7月14日)

米人気女優スカーレット・ヨハンソン(34)が「どんな役を演じても許されるべき」と、LGBTQコミュニティから批判されて映画「Rub and Tug」のトランスジェンダー役を降板した昨年の騒動に事実上反論する発言をして新たな波紋を広げている。

米芸能サイト「レーダーオンライン」によると、今回ヨハンソンは米誌「As If Magazine」のインタビューで、「俳優として私はどんな人物や木やあるいは動物でも演じることを許されるべき。なぜならそれが私の仕事であり、私の仕事の必要条件だから」と発言。昨年の降板騒動については語らなかったが、事実上当時の批判に反論する発言として新たな議論を呼びそうだ。

「その考えは私の仕事のトレンドだと感じている。芸術の影響で不快になるときもあるかもしれないけど、芸術は制約から自由であるべきだと感じているから」という。 さらに「もし私たちがほかの人たちの感情を許容し、ほかの人がみんな自分と同じように考えることを期待しなければ、社会はもっとつながるはず」と語った。ヨハンソンはこの考えを「political correctness」(人種別・性別などの差別廃止の立場での政治的正当性)の観点だと語ったという。

映画を製作するときに、契約したときとは大きく内容が変わることはよくあることだという。ファイナルカットは「私が考えていたのと同じになることはめったにないことで、違うことが普通。困惑したり楽しい驚きだったりする」と撮影の舞台裏も明かした。

「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年)、「マッチポイント」(2005年)や最近の「アベンジャーズ」シリーズのブラック・ウィドウなどさまざまな役を演じてきたスカーレット・ヨハンソンだが、昨年7月、演じる役をめぐって思わぬ批判にさらされた。「Rub and Tug」で実在のトランスジェンダー、ダンテ・テックス・ジルを演じることが決まったが、LGBTQのコミュニティから「トランスジェンダーにやらせるべき」という批判の声が上がり、昨年7月に降板に追い込まれる形になった。

当時ヨハンソンはゲイをサポートする雑誌「OUT」に「トランスジェンダーのコミュニティから多くを学び、自分が無神経だったことに気がつきました。私はトランスジェンダーのコミュニティに対して大きな尊敬と愛を抱いています。そしてハリウッドで議論が続いていくことに感謝しています」などとする声明を発表した。

さらに士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」をハリウッドが実写映画化した「ゴースト・イン・ザ・シェル」(2017年)でヒロインの草薙素子を演じたときには「ホワイト・ウオッシング」(白人以外の役に白人が配役されること)と批判されたことがあった。