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ハリウッド特急便
ホアキン・フェニックスが牛の母子を食肉処理・解体場から救う アカデミー賞のスピーチを実践
(2020年2月21日)
映画「ジョーカー」で第92回アカデミー賞主演男優賞を受賞した米俳優ホアキン・フェニックス(45)が、ロサンゼルスの食肉処理・解体場から牝牛とその子牛を救出して動物保護団体に預けた。フェニックスは受賞スピーチで「人間が牛から乳や子牛を奪っている」などと動物の権利を訴えていたが、それを実践した格好だ。その模様の動画をインスタグラムに投稿して動物保護を訴えた。
ヴィーガン(卵や乳製品を含む、動物性食品をいっさい口にしない完全菜食主義者)として知られるフェニックスはアカデミー賞の受賞スピーチで「われわれは自然界に入り資源を略奪しています。われわれは権利を与えられていると考えています。人為的に牛を受精させ、彼女から子供を奪います。彼女の怒りと叫びは明白であるにもかかわらずです。そして子牛に与えようとしている彼女の乳を奪い、コーヒーやシリアルに注ぐのです」などと訴えた。
そして早速その主張を実行に移した。ロサンゼルスの食肉解体・処理場を訪れて、雌牛と産まれたばかりのその子牛を引き取って、ロサンゼルス郡の北部にある動物保護団体「Farm Sanctuary」に預け解放した。婚約者の女優ルーニー・マーラ(34)や2人の母親も同行したという。フェニックスは自身のインスタグラムに大型トレーラーでスタッフと共に牛の母子を運び「Farm Sanctuary」に運び込む様子を映した動画を投稿して救出劇について報告した。
母牛と子牛はそれぞれ「リバティ」(Liberty)、「インディゴ」(Indigo)と名付けたという。フェニックスは「食肉解体・処理場で友好的に対応されるとは考えていなかったが、アンソニー(解体場のCEO)に会って私の考えを話したときに、意見を異にするわれわれが多くの共通の考えを持っているのではないかと思った。彼の行動と親切心がなければ、リバティと彼女の子牛のインディンゴは悲惨な死を遂げるところだった」などと語った。
「インディゴが母親のリバティと共にここで成長するのを見守りたい。そのことが最も期待されていない場所においても友情が持ち上がることがあることを、そして意見の違いがあっても親切心や哀れみがわれわれの周りを支配すべきだという事を忘れさせないだろう」と語った。
フェニックスの動物保護活動はこれが初めてではなく、先月SAG(全米映画俳優組合賞)で主演男優賞を受賞したときに、アフターパーティ―を欠席して、食肉解体・処理場を訪れてトラックいっぱいにブタを積んで救出した。また先月のゴールデングローブ賞ではヴィーガン料理を出すよう主催者を説得したという。
■ホアキン・フェニックス
1974年10月28日生まれ。1984年、テレビ映画「Backwards:The Riddle of Dyslex」に子役としてデビュー。「グラディエーター」(2000年)でアカデミー賞助演男優賞に、「ウォ―ク・ザ・ライン/君につづく道」(2005年)と「ザ・マスター」(2012年)で主演男優賞にノミネートされた。「ジョーカー」で初受賞。ほかに「her/世界でひとつの彼女」(2013年)、カンヌ国際映画祭の男優賞を受賞した「ビューティフル・デイ」(2017年)など多数。兄がリバー・フェニックス、女優レイン・フェニックス(48)は姉、女優サマー・フェニックス(41)は妹。「マグダラのマリア」(2018年)で共演した女優ルーニー・マーラ(34)と交際中。
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