ジョン・ウェインは「人種差別主義者ではなかった」息子が主張

米芸能サイト「TMZ」によると、ジョン・ウェインの息子で俳優のイーサン・ウェイン（５８）は、一部でジョン・ウェインは人種差別主義者であり、空港に彼の名前をつけるに値しないといわれていることに異議を唱えた。イーサンはウェインと３人目の妻で女優パイラー・パレット（９１）との間の息子。

イーサンは父親のことを「人種差別主義者ではなかった。彼の言葉が最近問題になっているのは知っていますが、私はとても深刻に受け止めています。なぜこんなことになったのかも理解しています」と語った。

ウェインは１９７１年に米誌「プレイボーイ」のインタビューで「私は、黒人が責任ある教育を受けるまでは白人至上主義を信じています。無責任な人たちに権威や指導者の地位や判断力を与えることは信じていない」などと語っていた。また「私は、インディアンからこの偉大な国を奪ったことが間違っていたとは思いません」とも語っていた。

黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官にひざで首を押さえつけられ窒息死した事件をきっかけに、全米で人種差別撤廃の運動が燃え上がる中、カリフォルニア州オレンジ郡の民主党が最近、ウェインのプレイボーイでの発言ついて「人種差別的で偏屈な発言」と非難し、オレンジ郡の監督委員会に空港の名称変更を要求する決議案を通過させたという。＜br＞１９２３年に開設されたカリフォルニア州オレンジ郡のオレンジ郡空港は１９７９年に同郡ニューポートビーチ・リド島に住んでいたウェインを讃えてジョン・ウェイン空港に改名された。

これに対してイーサンは家族としての声明を発表。「ジョン・ウェインが５０年前のインタビューで話した言葉が痛みと怒りを引き起こしたことは疑いの余地がありません。しかし、彼は自分の本当の気持ちが誤って伝えられたことに気づき、同様に彼は苦しみました」と訴えた。

彼は父親の言葉が誤引用されたとは言っていないが、父親が どんな形であれ白人至上主義を支持しておらず、責任ある人々が暴力を使わずに力を得るべきだと信じていた」と主張している。＜br＞ イーサンはまた、ジョージ・フロイドさんに事件に言及して「 彼は警官をジョージ・フロイドから引き離しただろう、それが正しいことだったからだ。彼は誰もが抗議し変化に向かって努力する権利を擁護するでしょう」としている。

イーサンは、ひとつだけのインタビュー記事に基づいてウェインを判断するのは不公平だといい、父親の全体像は白人至上主義者とは全く違ったもので「偏見を見たときには偏見だと叫んだ」という。

また父親がジョン・ウェイン癌財団を設立したことを指摘し、「彼の名前は常に勇気や強さを体現するでしょう」と述べている。はたして息子の主張が受け入れられて西部劇のヒーローが名誉を回復することができるのか成り行きが注目される。

■ジョン・ウェイン（John Wayne）1907年5月26日生まれ。米アイオワ州ウインターセット出身。１９２９年、「最敬礼」で映画デビュー。１９３９年、ジョン・フォード監督の大ヒット作「駅馬車」に主演して西部劇のスターになる。「アパッチ砦」（１９４８年）、「黄色いリボン」（１９４９年）、「リオグランデの砦」（１９５０年）、「静かなる男」（１９５２年）などの２０本以上のフォード作品に出演。１９６９年の「勇気ある追跡」でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。1979年6月11年、腸がんのため７２歳で死去。
私生活ではジョゼフィン・アリシア・シーンズ、エスペランザ・バウアー、パイラー・パレットと3回結婚した。ジョゼフィンとの間に4人、パイラーとの間に3人の子供がいる。俳優のパトリック・ウェイン（８０）、俳優マイケル・ウェイン（２００３年、６８歳で没）など６人の息子が俳優になった。