「キングダム」中国の戦国時代を舞台に豪華キャストが熱い戦乱絵巻を展開

(2019年4月23日)

  • キングダム
  • 「キングダム」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)
  • 紀元前の中国の春秋戦国時代を舞台に、大将軍になる夢を抱く奴隷の少年と中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい) (後の秦の始皇帝)の活躍を描くベストセラー漫画「キングダム」(原泰久、集英社)を実写映画化した大作時代劇。監督は「アイアムアヒーロー」「いぬやしき」「図書館戦争」などで知られる佐藤信介。

    紀元前245年、春秋戦国時代の西方の秦の国で、戦災孤児の少年・信(山﨑賢人)と漂(吉沢亮)は、大将軍になることを目標に剣術の鍛錬に明け暮れていた。ある日、王都の大臣・昌文君(高嶋政宏)が漂に目をつけて王宮に召し上げ、2人は別々の道を歩み始める。そうしたなか、王の弟・成蟜(せいきょう)(本郷奏多)がクーデターを起こし、戦闘の中で漂は致命傷を負うが何とか信のいる納屋にたどり着き、丘に建つ小屋の地図を信に託して「俺を天下に連れて行ってくれ」といって息を引き取る。信が地図に書かれた小屋にたどり着くと、漂にそっくりの王・嬴政(えいせい)(吉沢が2役)がいた。漂は影武者として仕えていたことが分かる。漂の遺志を胸に信は嬴政とともに王都を奪還する壮絶な戦いに命を懸け るというストーリー。

    中国映画の撮影に使わる巨大な映画村として知られる中国浙江省の象山影視城での撮影や、撮影所の王宮内部の巨大なセット、大軍勢がぶつかり合う戦闘シーンなどリアルでスケールの大きな本格的時代劇になっていて、日本人キャストが違和感なく中国の戦国時代の武将になり切りドラマを熱演している。

    大将軍を目指して熱く野望を語りエネルギーをほとばしらせる信を山崎が熱演。殺陣のシーンも迫力がある。そして王都を追われて奪還作戦を展開する王を吉沢がクールに演じている。また体重を20キロ増やして大将軍・王騎を演じている大沢たかおが存在感を見せ、山の民の美貌の王・楊端和役の長澤まさみが美脚を見せて華麗に敵を斬りまくる。反乱を起こす成蟜役の本郷の狂気をはらんだ演技、高嶋政宏演じる頑強な昌文などなどそれぞれが役にはまって見ごたえのある戦国絵巻になっている。(2019年4月19日公開)