「アラジン」王女ジャスミンと貧しい青年アラジンの魔法の愛の行方

(2019年6月8日)

アラジン
「アラジン」(TOHOシネマズ渋谷)

「千夜一夜物語」の「アラジンと魔法のランプ」を題材にして制作されたディズニーの長編アニメ映画「アラジン」を「シャーロック・ホームズ」シリーズなどをてがけマドンナの前夫としても知られる英国の監督ガイ・リッチーが実写映画化した冒険とラブロマンスのファンタジー。

変装して王宮を抜け出したアグラバーの王女ジャスミン(ナオミ・スコット)は、市場でサルのアブーを相棒にして盗みを繰り返していた貧しい青年アラジン(メナ・マスード)に出会う。いわれのない盗みの疑いをかけられたジャスミンをアラジンが助けたことで2人は心を通わせる。そうしたなか、国王の座を狙う国務大臣で邪悪な魔法使いのジャファー(マーワン・ケンザリ)はアラジンを利用することをたくらみ、アラジンを王女誘拐の罪で投獄し、助かりたければ魔法の洞窟から魔法のランプをとって来いと命じる。
アブーを連れて洞窟に入ったアラジンはランプを手にするが、洞窟に閉じ込められてしまう。途方に暮れたアラジンがランプをこすると紫色の煙と共に魔人ジーニー(ウィル・スミス)が現れ「願い事を3つかなえる」という。アラジンは王子にしてもらいジャスミンに会い、空飛ぶじゅうたんに王女を乗せて空を飛び王女の心をつかむが、ジャファーの反撃にあい波乱の展開が待ち受けるというストーリー。

オーディションでアラジン役を射止めたエジプト出身の俳優メナ・マスード(27)と、活発な美貌の王女ジャスミンを演じた英女優ナオミ・スコット(26)のフッレッシュなコンビが、メルヘンチックなラブロマンスを熱演。ナオミは父がイングランド人で母親がウガンダ出身のインド系移民だという。魔人ジーニーをウィル・スミスがコミカルに演じて存在感を見せている。

おなじみのヒット・ナンバー「ホール・ニューワールド」などを歌うミュージカル仕立てのシーンや、王宮などの豪華なセットを駆使したスピーディなアクション、冒険ファンタジー、ラブロマンスが満載のエンターテインメントになっている。ジャスミンが女性に王位継承権がないことに反発し女性の自立と権利を主張して王女になることを目指すという、昨今の女性の社会進出の問題を盛り込み、アラジンが見せるジャスミンへのアプローチの試行錯誤、ジーニーへの優しさなど価値観の教訓もちりばめられて子供から大人まで楽しめる作品になっている。
(2019年6月7日公開)