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「AI崩壊」大沢たかおと岩田剛典がAI暴走サスペンスで競演

(2020年2月2日)

大沢たかおと岩田剛典がAI暴走サスペンスで熱演
「AI崩壊」(TOHOシネマズ渋谷)

AI(人口知能)が全国民の個人情報や健康状態を完全に管理する近未来を舞台に、AIが暴走して人類の生き死にを選別するという恐怖と、その暴走を仕掛けたテロリストと疑われて警察に追いかけられる天才科学者の闘いを描いたSFサスペンス。大沢たかおが天才科学者を、彼を追い続ける天才捜査官を岩田剛典を演じて競演しているほか、賀来賢人、松嶋菜々子、三浦友和、広瀬アリス、高嶋政宏らのキャストで「SRサイタマノラッパー」(2009年)、「22年目の告白―私が殺人犯です―」(2017年)などの入江悠が脚本・監督を務めた。

■ストーリー

2030年、天才科学者の桐生浩介(大沢たかお)が亡き妻・望(松嶋菜々子)のために開発した医療AI「のぞみ」は、義弟の西村悟(賀来賢人)が社長のHOPE社が管理し、全国民の膨大な個人情報や健康を管理する巨大なAIとして社会に欠かせないものになっていた。妻の死後引退してシンガポールで一人娘の心(田牧そら)と暮らしていたが、総理大臣賞を受賞することが決まり東京に戻り、西村をはじめHOPE社の社員らに迎えられ、AI「のぞみ」を視察する。そうしたなか、「のぞみ」が突然暴走を始め、生きる価値のない人間を選別して抹殺しようとする。警察庁の天才捜査官・桜庭誠(岩田剛典)は、「のぞみ」の開発者の桐生が暴走を仕掛けた犯人と断定。“AI暴走テロ”の容疑をかけられた桐生は必死に逃亡を繰り広げながら西村と密かに連絡を取って真犯人を探す。

■みどころ

大沢たかおがAI暴走テロの犯人にされて警察のハイテクを駆使した捜査から逃走しながら真相解明の闘いを繰り広げる天才科学者の桐生を熱演している。岩田剛典は桐生を犯人とみて徹底的に追跡する冷徹な天才捜査官の役で存在感を見せ、2人を軸に緊迫のドラマが展開する。
労働人口は国民の50%にまで減少し、未来を担う子供は10%未満、そして残りの40%が老人と生活保護者という2030年の日本の描写は高齢化が進む現実があるだけに絵空事とも思えず身につまされる。そしてAIが進化し巨大なパワーで全国民の犯罪歴や収入、病歴などの個人情報全般や健康状態まで管理するという設定もリアルで怖い。
AIの暴走といえばスタンリー・キューブリック監督がSF映画の名作「2001年宇宙の旅」(1968年)で宇宙船を制御するAIの「HAL9000」が突然反乱を起こして船長ら乗組員が死闘を繰り広げるシーンが有名。今作は犯人がいて暴走をプログラミングするという内容だが、AIが進化し続ける今、改めてAIと人間の関係を考えさせられる作品になっている。(2020年1月31日公開)