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「8日で死んだ怪獣の12日の物語・劇場版」 リモートで撮影した異色のコロナと戦う怪獣映画

(2020年8月16日12:00)

「8日で死んだ怪獣の12日の物語」 リモートで撮影した異色のコロナと戦う怪獣映画
「8日で死んだ怪獣の12日の物語・劇場版」(テアトル新宿)

新型コロナウイルスの感染拡大が映画界にも大きな影響をもたらすなか、樋口真嗣監督など5人の監督が「怪獣の人形に願いを込めてコロナウイルスを倒そう」という趣旨で、コロナと自分の怪獣の戦いを自宅で撮影して、次の仲間につなぐというユニークな企画「カプセル怪獣計画」が配信された。その番外編として全編ほぼリモートで撮影されたのが岩井俊二監督の脚本・監督・造形、斎藤工主演の「8日で死んだ怪獣の12日の物語」。配信された同作に追加キャストとしてのんを加えて劇場で公開された。

■ストーリー

コロナの影響で仕事がなくなった俳優のサトウタクミ(斎藤工)は、コロナと戦ってくれるというカプセル怪獣を通販サイトで購入したて育て始める。怪獣に詳しい映画監督の樋口監督(樋口真嗣監督)にリモートで相談しアドバイスを聞きながら、日々成長して形を変えてゆく怪獣の様子を配信していた。そうしたなか、バンコクでレストランを経営していたが、日本に帰国し現在失業中の友人オカモトソウ(武井壮)や、通販で星人を購入して育てている後輩の俳優・丸戸のん(のん)、タクミと同様に通販で怪獣を購入して育てているユーチューバー・もえかす(穂志もえか)らが連絡してきて、リモートで会話しながら怪獣を育てていく。はたして怪獣は本当に人類の救世主になるのかというストーリー。

■見どころ

モノクロのリモートの画面で斎藤工(サトウタクミ役)が話すシーンから始まるのでドキュメントかと思わせるリアルな内容で画面に引き込まれる。コロナと戦ってくれるという怪獣がいろんな形に姿を変え、どうやってコロナと戦ってくれるのか、本当に戦えるのかと展開を見守るうちに意外な展開を迎える。怪獣について豊富な知識を語る樋口監督(樋口真嗣監督)、友人のオカモトソウ(武井壮)、ユーチューバー・もえかす(穂志もえか)など個性的なキャラクターたちの会話が面白い。さらには、のんが独特の存在感を放っている。コロナとの有効な戦い方が示されるわけでもないが、岩井俊二監督の独特の映像と怪獣の造形、コロナ観とストーリーに引き込まれる。(7月31日公開)