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「メカニカル・テレパシー」 「心を可視化する機械」をめぐる異色のSFラブロマンス

(2020年10月8日11:30)

「メカニカル・テレパシー」 「心を可視化する機械」をめぐる異色のSFラブロマンス
「メカニカル・テレパシー」(©Akiko Igarashi)

「心を可視化する機械」の開発を行う研究者たちの活動と恋愛を描いた異色のSFラブロマンス。第12回大阪アジアン映画祭インディフォーラム部門などに「可視化する心たち」のタイトルで出品され、日本芸術センター第10回映像グランプリで優秀映画賞を受賞した。監督は本作が長編監督デビューとなった映画美学校出身の五十嵐晧子。「『心とは何か!』というテーマに挑みました。SFが好きな方も恋愛映画を観たい方も、作品を楽しんでいただけましたら幸いです」とコメントしている。

主人公の研究者・真崎トオルに吉田龍一、実験中の事故で意識不明となった開発者の三島草一に申芳夫、その妻で研究者の碧を白河奈々未、真崎に思いを寄せる古賀アスミに伊吹葵、理事長・塚原瑞希に元宝塚娘役の青山雪菜などのキャスト。

■ストーリー

大学の研究室で、「心を可視化する機械」の開発が行われ、実験中に事故で研究者の三島草一(申芳夫)が意識不明になってしまう。共同で開発を進めていた妻の研究者・碧(白河奈々未)は開発を続け、研究室のベッドで眠ったままの夫の心の可視化を成功させようと実験を重ねていた。そうしたなか、成果が出ない開発を打ち切ろうとする大学側が、機械の調査という名目で研究者の真崎トオル(吉田龍一)を送り込む。真崎は可視化された草一を見るが、目の前に現れた草一は機械について詳しく解説して機械を壊すように依頼する。しかし真崎は次第に碧にひかれていき、草一の希望に反して開発の存続を目指すようになり、それぞれの思惑が絡み合い事態は混迷していく。

■見どころ

「心を可視化する機械」という着想がユニークで、その機械によって現れる心が可視化された状態の草一や碧、真崎が現れるシーンがミステリアスかつスリリングで引き付けられる。そして真崎は碧に惹かれてゆき、碧は夫の草一に深い愛情を持ち続け、研究員のアスミは真崎に思いを寄せ…という複雑に絡み合った愛の4角関係の行方にも目が離せない。(2020年10月9日、アップリンク渋谷で公開され、その後大坂・シネ・ヌーヴォX、神戸映画資料館ほかで順次公開)