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「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」 綾野剛&北川景子が安楽死を請け負う連続殺人犯に挑む刑事役を熱演

(2020年11月23日11:00)

「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」 綾野剛&北川景子コンビが安楽死を請け負う連続殺人犯に挑むサスペンス
「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」(東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷)

130人を安楽死させ「ドクター・デス」と呼ばれた実在の米国の医師をモデルに安楽死をテーマにした中山七里の推理小説「ドクター・デスの遺産」を原作に、綾野剛、北川景子のコンビで映画化したクライムサスペンス。「神様のカルテ」(2011年)、「サクラダリセット 全編/後編」(2017年)などの深川栄洋監督がメガホンをとった。

■ストーリー

「悪いお医者さんが来てお父さんを殺しちゃった」という8歳の子供からの通報に、警視庁No.1コンビの犬養隼人(綾野剛)と高千穂明日香(北川景子)が子供・馬籠大地の家に向かうと大地の父親・馬籠健一の葬儀が営まれていた。長い間肺がんを患い心不全で死亡したということだったが、大地からいつもとは違う別の医師と看護師が来ていたことを聞き出し、急遽火葬にストップをかけて遺体を解剖したところ血液中のカリウムの濃度が異常に高かったことが判明。大地の母親で健一の妻の事情聴取を行ったところ、健一も同意のもとで「ドクター・デスの診察室」というサイトで「安楽死を請け負います」という告知を見つけて安楽死を依頼していたことがわかる。犯人の特定に手間取る中ドクター・デスに安楽死を依頼した別の患者も浮上。犬養と高千穂は安楽死を請け負う連続殺人犯のドクター・デスを追跡するうちに犯人とみられる医師と看護師にたどり着くが、衝撃の展開が待ち受ける。

■みどころ

ドクター・デスとはアメリカの病理学者で末期病患者の安楽死を肯定し約130人にのぼる末期患者を尊厳死させ「ドクター・デス」(死の医師)と呼ばれた。1999年に殺人罪で服役し、仮釈放後も2011年に83歳で死去するまで安楽死・尊厳死の啓蒙活動を続けたという。

犬養と高千穂が懸命な捜査で「ドクター・デス」と思われる医師と元看護婦にたどり着くが意外などんでん返しがあり、さらには妻を交通事故で無くして1人で育てている犬養の娘で、腎不全で入院して透析をしている紗耶香(田牧そら)が犯人に狙われるなど最後までスリリングな展開が続く。綾野が熱血漢でときに暴走する敏腕刑事を熱演。バディ役の北川がパンツスーツ姿で決め、さっそうと女刑事役を演じていて2人のコンビぶりが見どころの一つになっている。そして末期患者本人が望み遺族から感謝される禁断の安楽死請負人をめぐって、はたして連続殺人犯と片付けていいものかと安楽死・尊厳死について改めて考えさせられる内容になっている。(2020年11月13日公開)