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「サイレント・トーキョー」 渋谷のハチ公前などを狙った爆弾テロ犯と刑事の息詰まる攻防

(2020年12月5日12:30)

「サイレント・トーキョー」渋谷のハチ公前を狙った爆弾テロ犯と刑事の息詰まる攻防
「サイレント・トーキョー」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

ジョン・レノンとオノ・ヨーコの名曲「Happy X-mas(War Is Over)」にインスパイアされた秦建日子の小説「サイレント・トーキョーAnd so this is Xmas」を原作に、「SP 警視庁警備部警護課第四係」シリーズなどの波多野貴文監督が、佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼らの豪華キャストで映画化したクライムサスペンス大作。東京を舞台にした連続爆弾テロ事件をめぐる犯人と警察の息詰まる攻防が描かれ、Awichがカバーする「Happy X-mas(War Is Over)」がエンディグソングとして使われている。

■ストーリー

クリスマスイヴにテレビ局に東京・恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話が入る。半信半疑で先輩の高沢(金井勇太)と現場に向かった来栖公太(井之脇海)は、犯人の罠にはまって居合わせた主婦・山口アイコ(石田ゆり子)とともに、爆弾テロの実行犯に仕立て上げられて行く。そして不審な中年男の朝比奈仁(佐藤浩市)が現場を見守る中、爆発が起きる。その後動画サイトに来栖が「標的は渋谷のハチ公前。要求は首相との生対談。期限は6時」と犯行を予告する動画がアップされる。捜査を続ける刑事の世田志乃夫(西島秀俊)と泉大輝(勝次涼)のコンビ、謎のIT企業家・須永基樹(中村倫也)、会社員の高梨真奈美(広瀬アリス)とその同僚で須永に惹かれる綾乃(加弥乃)らはそれぞれ渋谷に行き、大群衆がハチ公前、スクランブル交差点を埋め尽くし機動隊が動員されるな大騒動になる中、事件がはじける。

■見どころ

ハッピーなはずのクリスマスイヴの渋谷が連続爆弾テロ犯のターゲットになって、首相(鶴見辰吾)が「テロには屈しない」と犯人側の要求を拒否するなか、刑事の世田らとの息詰まる攻防が最後まで続く。犯人が犯行声明で「これは戦争だ」と告げるが、その意味が犯人の正体とともに判明していくくだりも様々な思惑が複雑に絡み合い緊迫感が高まる。西島秀俊が犯人に迫っていく刑事を、石田ゆり子が事件のカギを握る女を、中村倫也や井之脇海、広瀬アリスらが事件に翻弄される人物を熱演。佐藤浩市が圧倒的な存在感を見せるなど緊迫のサスペンスを盛り上げている。栃木県足利市に再現された原寸大の渋谷・スクランブル交差点のオープンセットをとCGを駆使した爆破シーンは圧巻で、凄まじい火炎と爆風が巻き起こり一瞬で大量の殺傷をもたらす爆弾の恐怖がリアルに再現されている。そしていかなる理由でも無差別テロは許されないと改めて考えさせられる映画だ。(2020年12月4日公開)