Plusalphatodayツイッター

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦

(2021年4月14日21:30)

文化放送「上地由真のワンダーユーマン」(月曜午後9時30分)でパーソナリティ―の上地由真と映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんの3人が4月のおすすめ映画を紹介して見どころを解説した。同番組では毎週テーマを設け“由真的”テイストで進行。毎月第1週目は「今月のシネマログ」と題し、その月に公開される話題の映画作品を上地由真と映画の専門家2人が紹介する。今回は『ザ・バッド・ガイズ』『21ブリッジ』『サンドラの小さな家』の3本の話題作が紹介された。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
(㊧から東紗友美、上地由真、荒木久文)

上地    上地由真のワンダーユーマン!今週もよろしくお願いします。 今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。 映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さんと、映画評論家の荒木久文さんとお届けします。よろしくお願いします!

荒木・東  よろしくお願いします!

上地    さて、本日もこちらのコーナーから。「由真のナニソレ」。私が気になっているコトやモノをご紹介していきます。本日は私が最近、自宅で映画を観る時に使っているグッズを紹介したいと思います。フットケアなんですけど、リラブーという…知ってます?

荒木    はい、知ってます、知ってます。

東     えっ!荒木さんが知ってるー!

上地    知ってますか?!使ってます?

荒木    いや、使ってません。買おうかなと思ってた。

上地    すごい、足つぼマッサージ器なんですけど、おっきくなくて、めちゃくちゃコンパクトでブタの形をしててね。

東     リラブー?

上地    リラブー。だからブタの形をしているのかなあ?ボタンを押すと「ブーブー」って鳴いたりして、結構おもちゃみたいで。これナメてたんですよ、これ本当に効くのかなあ?って。でもめちゃくちゃ強いんですよ。力強い!結構ツボに、グッグッって入るし。9層式のエアバッグになってるんだって。だからすごい締め付けもあるし。あと手のマッサージ。足もいけるし手もいけるし、これは本当にオススメ。それをしながら、リラックスしながら映画を観てる…っていうね。

東     めちゃくちゃリラックスできそう!

荒木    気持ち良すぎて寝ちゃいませんかねー?

東     アハハハ!

上地    痛くて!手は痛くて。結構痛くて。リラブー、これちょっとオススメ。さゆみん、なんかあります?

東     あるー!私はね、これです。ヤーマンのメディリフトネックというものなんですけど、見た目的には『バトル・ロワイアル』で生徒たちがつけていた首の輪っかみたいなものなんですけど、これは美容機器で、首にある胸鎖乳突筋ていう…今でもタレントの紗栄子さんが唯一、1週間に40分鍛えているのが胸鎖乳突筋らしいんですよ。男性も鍛えてもね。やっぱり首がきれいな人ってね!要はね、顔って顔じゃないですか。首まで顔じゃないですか。だから女性はやっぱりイヤリングすると思うんですけど。怠りがちな首ケアが出来るヤーマンのメディリフトネックね、あるかないかが胸鎖乳突筋、変わるんで顔が!

上地    映画見ながらね、それを着けて。

東     ねっ!やるといいですよー。オススメです。

上地    ぜひ!今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。4月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、荒木久文さんの三人が「これはオススメ!」と思った作品をご紹介していきます。 それでは、さゆみんのおすすめからお願いします。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「ザ・バッド・ガイズ」(4月9日から全国公開中)(ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, BIDANGIL PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED)(配給:エスビーオー、提供:TIMO Japan/エスビーオー)

東     はい。私がご紹介するのは、4月9日公開の『ザ・バッド・ガイズ』です。『新感染 ファイナル・エクスプレス』『エターナルズ』のマ・ドンソクが主演のアクション映画です。『エターナルズ』ね、今年の秋公開予定のマーベルの新作なんですけども、マ・ドンソク、初めて韓国人でマーベルに起用されております。『ザ・バッド・ガイズ』のあらすじを話します。囚人たちを乗せた護送車が覆面をした武装集団に襲撃され、凶悪な犯罪者たちが逃げ出してしまいます。警察は逃亡した凶悪犯たちを再び捕まえるため、元警察官のオ・グタクに指令を出し、過去に重大な罪を犯して刑務所に収監されている服役囚たちを集めた極秘プロジェクト“特殊犯罪捜査課”を始動させます。“伝説の拳”と呼ばれ恐れられているマ・ドンソク演じる服役囚人や、天才詐欺師、無鉄砲な元警察官など一癖も二癖もあるメンバーが集められます。彼らは減刑を引き換えに、ぶつかり合いそうになりながらも凶悪犯を追い詰めていきますが、その背景には国を揺るがす凶悪な巨大な陰謀が見え隠れして…という映画なんですが、この映画、一言で言うと、“目には目を、歯には歯を、悪には悪を!”の作品なんです!
タイトル通り“ザ・バッド・ガイズ”なんですけども、全員、悪を倒そうとしているのが悪人たちなんですよね。悪をもって悪を制す系の映画が大好きで。最近だと『スーサイド・スクワッド』もその類だったと思うんですけども、悪人たちが悪人を捕まえるという設定なので、日常の会話が悪を知り尽くしていてめちゃくちゃ面白いんですよねー!この作品なんですけど、韓国のお正月の大ヒット作品で、最終的には450万人動員した、むちゃくちゃヒットした作品なんですよね。アクションも相当激しいですし、陰謀があって凶悪犯罪があって、本当に映画でしか見られないようなものがぎゅっと2時間に詰まっていて、マ・ドンソク推しの私と由真さんにはたまらない作品なんですけど。

上地    可愛い~!

東     ねー!可愛くてね、凶悪でね、たまらないんですけど。マ・ドンソク、この映画でね、皆さんにお伝えしたいのが、あるシーンで一言日本語をしゃべってくれるんですよ。

上地    あー!しゃべってた!

東     でね、これがなんて言っていたかっていうのは、ちょっと言っちゃうとねネタバレになるんですけど。ひとこと言っておくと、全く本編に関係のない話をマ・ドンソクが日本語でひとこと言ってくれるシーンで。私、マ・ドンソクが日本語を話すの、初めて聞いたから、それだけでそのシーン、ちょっとまた別の意味で満たされたりとかしたんですけど。いや~面白かったですねー!いかがでしたか、お二人?

上地    いや、もうマ・ドンソク無敵すぎるでしょ。なんであんな強いのっていう…。

東     そう!『悪人伝』でも去年、私たち語ったんですけど、私たちネタバレしたいわけじゃないのに、マ・ドンソクが出ているっていう時点で最後がわかるんですよね。

上地    ねー!マ・ドンソクもすごかったし、あと最後の方に出てくる・・・これ言っていいのかな?“幽霊の足”って言われている、あの…。

東     あ!はいはいはいはい。

上地    あの人もかなりかっこよかったです。すごい印象に残ってる。

東     今回もね、悪のチームだからね、それぞれいろんな持ち味のキャラクターがいて。あれ、由真さんはキム・アジュンとか…美しい女性が一人出ていたと思うんですけども…。

上地    かっこよかった!

東     そう!彼女は日本でも大ヒットした『カンナさん大成功です!』という作品でファットスーツを着て、本来48キロとかなんですけど、95キロの体の女性を演じたキム・アジュンが出ていて、相変わらずの変わらない…。

荒木    変わらないね。

東     スタイルがね。今年38歳らしいですよ、キム・アジュン。この作品で。本当に美しいですよね。

上地    美しかったですよねー。

東     荒木さんどうでしたか?ご覧になって。

荒木    もうね、マ・ドンソクのための映画で。単純でいいと思います。マ・ドンソクは178センチ、体重100キロというね、ほとんど四角い冷蔵庫だよね。腕周り60センチですからね。

上地    もう胴体ですね、私たちの。

荒木    そう、女性のウエストぐらい。

東     ウエストですよね。

荒木    ほとんど、こう首を持って上に宙吊りにしてるでしょ、相手を。あれ、本当にやっている風ですよね。まあそういう意味ではね、ビンタなんかやられると本当に気絶するみたいですけどね。間違って入るとね。でも、元々この人、ミュージカル俳優としてデビューしているんですよね。今度の『エターナルズ』でもね、基本的には韓国人ですけど、アメリカ人ですね。18歳でアメリカ合衆国に移住して、米国籍を取得しています。それでインテリなんですよ。体育学を学んでね、元々はトレーナーを務めているんですね。元々あの体はボディビルダーですよね。インテリでもあって、韓国の宝ですよね、俳優の。

東     ギャップもたまらないから、日本でも女性たちから人気があって、マ・ドンソクって呼んでいる人、たぶん少なくて、「マブリー」ってみんな呼んでます。「ラブリー」との造語で。

荒木    マブリーね…。私、個人的にはマブリーじゃなくて、あのギラギラした、ちょっと焼き肉の匂いが漂ってくるような、俱利伽羅紋紋(入れ墨)のあるようなマ・ドンソクが好きですね。マ・ドンソク兄貴の方が好きですね。まあ男の人と女の人はちょっと違うかもしれませんけどね。どっちみち本当にいい俳優ですので。

上地    マ・ドンソク出てるだけで観たくなっちゃう。

荒木    観たくなりますよね。

東     というわけで私がご紹介したのは、4月9日公開の『ザ・バッド・ガイズ』でした! 上地    続いては荒木さん、おすすめ作品をお願いします。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「21ブリッジ」(2021 年 4 ⽉ 9 ⽇(⾦)より全国ロードショー)( ©2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.)( 配給︓ショウゲート)

荒木    はい。『21ブリッジ』、21の橋という意味の作品ですね。4月9日からの公開です。舞台はアメリカニューヨークのマンハッタンです。主人公はアンドレ・デイビス、チャドウィック・ボーズマンが演じています。彼は幼い頃、お父さんが刑事だったんですけど殉職して、父親と同じ刑事になったんですが、優秀な刑事になったんですね。
でも問題人物でもあったんですね。無鉄砲というか正義感が強かったんで、悪人に対して容赦ない捜査をするんですね。その結果、警察官を殺した犯人を射殺したことで、同僚たちからも敬遠されて、上の方からも睨まれていたんですね。でも全く彼はそんなこと意に介しません。ある夜そんな中、マンハッタンのど真ん中で強盗事件をきっかけに8人の警官が殺されるような大事件が起きます。アンドレは容疑者である二人の凶悪犯を捕まえるために、なんとマンハッタン地区の全面封鎖をするんですね。マンハッタンと外を繋ぐ21の橋を封鎖して、地下鉄や飛行機もストップさせ、巨大な密室となるわけです。そこで激しい追跡劇が始まるという…ところがですね、夜も深まって凶悪犯を追い詰められるにしたがって、アンドレは何かおかしいと感じ始めるんですね。やがて彼は思いもかけない巨大な陰謀の中にいることに気がつくわけです。アンドレが追っているのは一体誰なのか、そして陰謀とは何なのか、というね、そういうところから入るんですけども。一言で言うと、なんて言うんだろう…“マンハッタンピープル(映画宣伝会社の名称)大迷惑”というかですね…。

上地・東  アハハハ…。

荒木    ちょっと映画の業界でしかわからないダブルネーミングのシャレなんですけど。

東     なるほど~、たしかに!

荒木    お二人はニューヨークには行ったことはありますか?

東     あります。

上地    うわ~、いいなあ。ないですー。

荒木    私もないんですよ。マンハッタンは当然行ったわけですね?

東     はい、行ってます。本当に橋がこの作品21あるって書いてあるんですけど、橋がいろんな所にあって繋がっていて、それを封鎖するってすごい設定ですよね。

荒木    マンハッタンてね、島なんですよ。マンハッタン島っていう。ハドソン川という有名な川の中州にあるんですね。地質学的にはすごく硬い雲母の結晶で一枚岩で出来ているんですって。

上地・東  へ~!

荒木    だから高いビルを建てても全然平気なんですね。そこにニューヨーク州が、ど真ん中にあるわけなんですね。外からはさっき 東さんが言った21の橋や、地下道なんかで繋がっているんですけども、逆に言えば橋を封鎖してしまうと、遮断されちゃうわけですね。広さは山手線の中ぐらいの大きさ。そこに日本と違って、ウォール街だとかね、経済の中心であるところの大企業、CBSだとかメディアとかファッションだとか広告業界が本当に全部入っているわけなんですよ。塊まってるの。だから文化・芸術面でも大きな影響力を持っているし。日本で言えば、なんて言うの・・・霞ヶ関と銀座と丸の内とか分かれてるじゃん、あれが一緒くたに入っているような感じ。文字通りマンハッタンって、本当に夢のような場所ですよね。

東     ものすごいテンポが良かったですよね!こんなに展開変わる?!っていうくらい、どんどんどんどん次に次に、って行ってくれる作品だったんで。

荒木    雰囲気も良かったですよね。正直言ってそれほどね、意表を突く展開とかあんまりないんですけども、自分以外はみんな怪しく見えるハラハラ感とか。タイムリミットがあって、それに迫るストーリーとか、深夜のニューヨーク。アクションとしても見応えがありますよね。で、主演が…。

東     チャドウィック・ボーズマンですよ~!

荒木    そうですね。このチャドウィック・ボーズマン、2018年『ブラックパンサー』で主演を務めた黒人俳優で有名ですよね。初めての主演が2013年の『42~世界を変えた男~』という、アメリカ人の黒人で初めて野球選手、大リーガーになったジャッキー・ロビンソン役で話題を呼びましたね。『ブラックパンサー』はマーベルスタジオ史上、最高傑作という風に言われてまして、本当にハンサムな…ハンサムで品があるんだよね。そことなく品があって、大活躍したんですが、なんと去年の8月に43歳という若さで亡くなってしまっているんですね。

東     私、チャドウィック・ボーズマン大好きで、彼の演技もあるけど、性格もすごく尊敬しているというか…ハリウッドって、今って女性と男性の格差の問題が、まあ日本でもそうなんですけども、ギャラの問題だとか大きく取り上げられがちじゃないですか。今回も共演しているシエナ・ミラーさんという女優さんのギャラが安いから、自分のから分け与えたりとかされていて。正確にいくらっていうのは出ていないんですけど、ちょっと安すぎるんじゃないかと自らの主演のギャラを与えたり。もう本当ね、彼との別れは、生死によって一生の別れになるものじゃないなと逆に思えて。ずっとキラキラと輝いてくれてたので。ワカンダ、フォーエバーですよ、結局!

荒木    ご覧になりました?『ブラックパンサー』、由真さんは?

上地    観てないです。

荒木    ああ、そうですか。これはぜひね、観て…本当傑作ですよ。ちょっとSFっぽくて、観る人によってはちょっと奇想天外かなと思えるけど。やっぱり彼がね、輝いてますよ。

東     確か、オスカーの作品賞にも初めてノミネートされたマーベル作品なんですよね。内容がとても素晴らしいので。

荒木    まあね、コロナでアメリカ行けないので、私もニューヨーク、絶対行ってみたいんですけど。

上地    絶対行きたい街!!

荒木    夜の緊張したマンハッタンだけはこの映画で観られたんで、まあそれはそれでいいかなと。

上地    こんな危険な街に住みたくないって思いました。

荒木    あ、そう…確かにね。

上地    アハハハ!

荒木    ということで私が紹介したのはですね、『21ブリッジ』という作品でした。4月9日からの公開です。

4月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「サンドラの小さな家」(全国順次公開中)(©Element Pictures, Herself Film Productions, Fís Eireann/Screen Ireland, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020)

上地    今月の「今月のシネマログ」、トリは私、上地由真のおすすめ作品をご紹介します。私がご紹介するのは、4月2日から公開中の『サンドラの小さな家』です。

シングルマザーのサンドラは夫のDⅤに耐えかねて、二人の幼い子供を連れて逃げ出します。しかし公営住宅には長い順番待ちで、夫の存在に怯えながらホテルでの仮住まいの生活を続けます。そんな中、娘との会話の中でサンドラは、自分の家を自分で建てるというアイデアを思いつくんです。しかし土地、資金、人材と足りないものだらけで途方に暮れるサンドラ。そんな時、清掃人として働いている家の雇い主であるペギーが土地と資金を提供してくれることになって、自分で家を建てるということを決心します。そして偶然出会った建設業者のエイド、仕事仲間やその友人たちと家づくりを始めます。家づくりをする中で希望を見出し、前向きに生きていこうとするサンドラでしたが、DⅤ夫の妨害によって苦難を強いられることになり…という映画で、この映画は一言で言うと、“DIY大作品”です。この映画、もうとにかく、このDⅤ夫…どうです、これー?!もうムカつき過ぎて!私、観ながら自分の太もも何回も殴りました。アッハハハ!

東     なんかDⅤ男性が出る…これポスターがすごく柔らかい雰囲気で、DⅤ夫から逃れる話っていうのは知ってたんですけど、DⅤのシーンが引くほど過激だったから。たぶんね、想像以上、見慣れている想像以上にくるところだったから…。

上地    目を塞ぎたくなるようなね。シーンが冒頭から結構出てくる…。

東     そう。どうなる?!って思いましたよね。

上地    でね、サンドラ逃げたはいいものの、一人で子育てしながら働いてって、やっぱり大変じゃないですか。でもそんな中で、結構金銭的にも大変だし。それで自分で家を建てるっていう発想!お金がないから、いいよ、じゃあ建てようっていう発想ってすごくないですか?

荒木    面白いよね~、そうだよね。

上地    面白いですよね!

荒木    普通は、ちょっと日本人あたりだとまた違う発想ですよね。家を建てるっていう発想は一番先にはこないよね。

上地    ですよね。本当にもう自分で一からね、材料も買いに行って、がっつり作ってましたよね。

東     なんか、この小さな家ってタイトルに入ってるから、ほんわかテンションで見たら、本当にカチンカチンカチンて家を建てるシーンが由真さんのタイトル通り、DIYが思ったよりこんなにやる?!ってぐらいちゃんと建てていて…。

上地    そうそうそう、うん。なんか私も建てるっていう発想がなかったけど、人が建てているシーン、森泉さんが家を建てる番組とかあるじゃないですか、ああいうのを見るのが私、結構好きなので、そういう家が出来ていくっていう過程もこの映画で面白い部分ではあったし。サンドラの行動力とか、必死で子供を守ろうっていう一生懸命生きている姿がね、心動かされたし。またそれによって助けてくれる人たちがいい人なんですよね。みんな、やっぱりサンドラを助けてくれるんです。それが、私はこの映画で救われました。

荒木    アイルランドの国民性で、一つにはどうしても帰る場所とか、故郷に執着するっていうのがあるようですね。というのはアイルランドって、イギリス含む周辺諸国から本当に侵略や差別を受けた所で、特にイギリスを嫌いな人が多いんですけども。そのせいか非常に我慢強くて、コツコツ負けん気が強くて、すごく努力する人たちが多い。

上地    確かに、これ出てますよね、この映画でもそういうとこが。

荒木    昔ね、サッカー選手でロイ・キーンていうアイルランドの選手がいたの。私、本当に大好きでね。根性の男でね。そういう感じの女版かな、みたいな。本当にね、すごい激しい性格で、けど一途。けど周りの人たちはですね、おしゃべりでフレンドリーだそうなんですよ。世界で最も友好的な国に選ばれたこともあるぐらい、親切な国民性なんですって、お互いに。映画の中にも“メハル”っていう言葉が出てきたんですけども、アイルランドに根付く素晴らしき助け合いの精神ね、そういうのもあるところみたいね。

東     そうなんだ~!

荒木    だからいろんな意味で相反する国民性もあるんですけど。まあそういう…いろいろ混在して、DⅤ男もいればですね。もう一つはやっぱり男が強いっていうのはありますね。カトリックのあれもあるかもしれないですけど。ついね、1955年までは、憲法で離婚が禁止されてたんですって。

上地・東  えーっ!!

荒木    今はね、4年の別居期間を経た離婚は認められていますが、それでも時間も労力もお金もかかるから、結婚自体慎重になる人が多いんですって、東さん。

東     いや~ちょっと…その話聞いてからまた、この『サンドラの小さな家』を観ると、よほど彼女の苦労が何倍にも伝わりますね。だってそういったその制度廃止されたとはいえ、根付いてたわけじゃないですか、一時期。

荒木    考え方がね、そういうことになっていますよね。

東     だからこそ、そのぐらいの覚悟を持って作るぞ!で本当に作ってしまうんですよねー。でも本当にこの作品素晴らしいなと思いました。ストーリーの軸と家が出来る工程、要は二つの軸で映画を堪能出来るから、90分とか90何分とかの作品ですけど、見応えは二倍ぐらいあるんですよね。めちゃくちゃ泣きました。泣きませんでした、由真さん?

上地    めっちゃ泣きましたよー。ここに出てくる人たちって、荒木さんもさっきおっしゃってましたけど、みんな人のために、DⅤ夫以外がみんな人のために、人を助けるために、動いてるんですよね。結果自分の幸せに繋がるっていうか、自分自身を助けられるっていう希望がね、希望を与えてくれる…すごくいい作品でした。
私、上地由真のおすすめ作品は4月2日から公開中の『サンドラの小さな家』でした。 4月公開の映画作品の中から、それぞれの推しをご紹介しました。ぜひ映画館でチェックしてくださいね!映画評論家の荒木久文さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました。

荒木・東  ありがとうございました!

■上地 由真
オーディションがきっかけで関西を中心に音楽活動開始。2007年シングル「shine day」などをリリース、以降全国各地でライブ活動やイベント参加。最近は女優としても活躍、舞台、映画などのジャンルにも進出。

■東 紗友美
映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。インスタグラムでも毎日映画に関する写真やコメントをほぼ毎日掲載中。

■荒木 久文
現在複数のラジオ番組を中心に、新聞紙面 ニュースWEBなどに映画をテーマとした評論 批評 紹介 などの活動を展開。報知映画賞選考委員 ノミネート委員  日本映画ペンクラブ会員