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「アンモナイトの目覚め」ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが圧巻の共演

(2021年4月17日13:30)

「アンモナイトの目覚め」ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが圧巻の共演
「アンモナイトの目覚め」(TOHOシネマズ シャンテ)

19世紀のイギリス南部の町を舞台に古生物学者で母親の店で観光客相手に化石などを売っている女性と、店を訪れた裕福な夫婦の妻の恋愛を描いた作品。ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが初共演の話題作。監督は「ゴッズ・オウン・カントリー」(2017年)で注目されたフランシス・リー。

■ストーリー

1840 年代のイギリス南西部の町ライム・レジスで、母親(ジェマ・ジョーンズ)と2人でひっそりと暮らす考生物学者のメアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)。かつて彼女が発掘した魚竜イクチオサウルスの化石は大発見として注目を集め、大英博物館に展示されたが、女性のメアリーはすぐに忘れ去られ、今は観光用の土産物用のアンモナイトを海岸で探して細々と生活していた。ある日、裕福な化石収集家のロデリック・マーチソン(ジェームズ・マッカ―ドル)が妻のシャーロット(シアーシャ・ローナン)を伴って訪れ、流産のショックで抜け殻のようになった妻を静養させたいので数週間預かってほしいと頼まれる。メアリーは断るが報酬をはずむといわれ、しぶしぶ引き受ける。世間知らずでわがままなシャーロットに最初は冷たく突き放していたメアリーだったが、寒い海で勝手に海水浴をして高熱を出して寝込んだシャーロットをつきっきりで介抱する。シャーロトが回復するうちにお互いに惹かれあいついには激しく求めあう。

■見どころ

ウィンスレット演じる古生物学者のメアリーは実在の人物で、わずか13歳の時に魚竜イクチオサウルスの化石を発掘して大発見として大英博物館に展示されるが、女性ということで長い間歴史から名前が消されていたという。そして海岸で土産物用のアンモナイトを探して売る孤独な生活を送るメアリーと裕福な夫の妻で社交界にも慣れているが夫婦仲は冷め切り孤独なシャーロットと心を通わせ、内に秘めた感情を解き放ってゆく生き様を「タイタニック」(1997年)やアカデミー賞主演女優賞を受賞した「愛を読むひと」(2008年)などで知られる実力派女優のケイトと、「ブルックリン」(2015年)、「レディ・バード」(2017年)、「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」(2019年)で3度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど「賞レースの常連」と呼ばれる若手実力派女優の2人が繊細に大胆にメアリーとシャーロットを演じて圧倒的な存在感を見せて共演している。
2人の官能的で美しいベッドシーンにもスクリーンにくぎ付けになる。女優同士のベッドシーンといえば第66回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞したフランス映画「アデル、ブルーは熱い色」(2013年)のアデル・エグザルホプロスとレア・セドゥの観客席が息をのみ静まり返ったベッドシーンや、「キャロル」(2015年)のケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ(同作でカンヌ国際映画祭の女優賞受賞)、そして「アトミック・ブロンド」(2017年)のシャーリーズ・セロンとソフィア・ブテラ、さらには「燃ゆる女の肖像」(2019年)のノエミ・メルランとアデル・エネルのラブシーンが強烈な印象を残したが、ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンの灼熱のベッドシーンも映画史に残る圧巻のラブシーンになっている。(2021年4月9日公開)