CNNの“ホワイトハウス出禁”撤回請求裁判で記者証返還の仮処分命令

(2018年11月17日)

  • トランプ大統領
  • ジム記者㊧と大統領のバトルを報じる ニューヨーク・デイリーニューズ(電子版)

米トランプ大統領のホワイトハウスでの記者会見で、米CNNのジム・アコスタ記者がトランプ大統領に厳しい質問をして”論戦“になり取材証を取り上げられた問題で、CNNが報道の自由を侵害する憲法違反として取材禁止の即時撤回を求めていた裁判で16日、ワシントンの連邦裁判所は、CNNの請求を認める仮処分を下した。

米紙ニューヨーク・デイリーニューズ(電子版)によると、連邦裁判所のティモシー・J・ケリー判事は、CNNの主張を認めて記者証をアコスタ記者に返還する仮処分を命じた。 判事は、「ホワイトハウスはアコスタ記者の取材証を取り消す上で法的に適正な手続きをしていなかった」としている。 また、サンダース報道官が”出禁”の根拠として挙げている、アコスタ記者がマイクを取り上げようとした女性スタッフに「不適切に触った」としていることに「真実とは疑わしい。(記者証没収は)正確さが疑わしい証拠に基づいている」と指摘した。判決は後日出るが、判事はこの件では総体的に見てCNNとアコスタ記者が優勢だと話したという。

法廷を出たアコスタ記者は詰めかけた報道陣に「さあ仕事に戻ろう」と話した。その後ホワイトハウスに向かったアコスタ記者は9日前に取り上げられた記者証を返却された。 トランプ大統領は、今回”敗北“を受けて、ホワイトハウスの取材の新たな規則を作るという。「大統領はアコスタ記者の取材証を取り上げたとき『ホワイトハウスは神聖な場所』だといっていた。『フェイクニュースを流す国民の敵のCNN』は神聖な場所を汚しているといいたいようだが、『私のホワイトハウスだから私に都合の悪い質問をするCNNは記者会見に来るな』と言っているようにしか見えない」(米政界の事情通)という声も上がっている。