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周庭さんが告発「警官がデモ隊に紛れ込んで火炎瓶を投げている」

(2019年9月3日)

香港から犯罪容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する香港市民の大規模なデモ隊の一部が暴徒化していると報じられているが、2014年の「雨傘運動」のリーダーで民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(22)は1日、ツイッターでデモ隊に紛れ込んだ可能性が高い警官2人が火炎瓶を投げていたと指摘した。

抗議運動を暴力的に鎮圧する口実をつくるために”デモの暴徒化“を自作自演している可能性が高いという。事実なら、なりふり構わずデモを鎮圧して香港を完全な支配下に組み入れようとする中国の野望が背後に見え隠れしている。

周庭氏は「もしわれわれが闘いをやめれば、香港は終わり、一国二制度は終わり、反政府の社会運動に参加するという政治的権利もおそらく終わる」と訴えている。連日大規模なデモが行われ多数の学生、市民が参加していることからも香港市民の危機感が深刻であることをうかがわせる。

8月30日には周庭氏と香港の民主派政党・香港衆志(デモシスト)のジョシュア・ウォン(黄之鋒)氏(22)らが、無許可の集会への参加を扇動、組織、参加などの容疑で逮捕され、起訴されて即日で保釈された。周氏は「警察が人々に恐怖心を与えるためだ」と批判した。

周氏らの逮捕を受けて、香港衆志は「中国共産党が名指しして批判する運動の指導者を逮捕することによって、デモの背後に黒幕が存在するという共産党の論調を強調しようとしている」との声明を発表した。「今回のデモに指導者も黒幕もいない。市民をデモへの参加に『扇動』したのは林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官の暴政と暴力だ。全ての市民は自身の良識からデモに参加している。これは揺るぎない事実だ」

一方中国は天安門事件の再現は、国際世論の反発を買うのは必至で、人民解放軍を展開することには慎重になっているといわれる。3日のロイター電によると、香港の林鄭月娥・行政長官は先週行われた実業界首脳との非公開会合で、行政長官を辞任したいと述べたという。また、中国は人民解放軍の香港の市内への配備を計画していないと述べたという。 人民解放軍を投入すれば「大きすぎる代償を払うことになると分かっている」とし「中国は国際社会での評価を気にしている」と説明したという。そうしたなか、香港当局と民主化運動の攻防はどうなるのか?予断を許さない展開が続きそうだ。