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香港の“民主の女神“周庭氏に有罪判決 収監の可能性も闘争継続を宣言

(2020年8月5日20:45)

周庭さんに有罪判決
(闘争継続を宣言した周庭さん=インスタグラムから)

香港の裁判所は5日、香港の民主化運動の象徴で”雨傘運動の女神“と呼ばれた香港衆志(デモシスト)の元メンバー、周庭(アグネス・チョウ)氏(23)に対して、昨年デモ参加者を扇動して警察本部を違法に包囲させたとして有罪判決を言い渡した。量刑は12月に宣告されるという。収監される可能性があるが、裁判終了後、周庭氏は「自由と民主主義のために引き続き戦う」と闘争継続を宣言した。

香港の民主活動家の周庭氏や黄之鋒氏らは、2019年6月の抗議活動で、警察本部を包囲するようデモ隊を扇動した罪と、違法な集会に参加した罪に問われていた。先月6日の裁判で、周氏は起訴内容を認め、黄氏ら2人は否認していた。

NHKのニュースによると、裁判終了後に裁判所の前で周庭氏と黄之鋒氏らが会見して、周氏は日本語で「確かに香港の国家安全維持法のもとで、明らかにとんでもない恐怖感が今香港にはあります。でも恐怖感に負けず引き続き自分の信念、私たちが信じている自由と民主主義のために戦っていくことがとても大事だと思っています」と闘争ケ尾族を宣言した。

周庭さんは6月30日、デモシストを脱退することを自身のツイッターで発表していた。香港の反政府運動などを中国が直接取り締まることが可能になる国家安全維持法が同日、中国の国会に相当する全国人民代表大会で可決したため「もう避けることができない決定」だとしていた。

その後、ツイッターなどの更新は途絶えていたが7月6日、周氏はメディアの取材に「デモシストとしての活動はなくなったが、個人として香港の民主主義や自由を求める信念が大事だ」として、国安法の施行に反対する考えを改めて示した。また「収監されるかもしれないという心の準備もしている」と語っていた。

中国は香港の反政府活動などを直接取り締まることが可能になる香港の国家安全維持法を制定して、香港に高度な自治を保障する一国二制度を形骸化させるなど香港の中国化に乗り出している。中国の動向に呼応するように香港の立法会選挙で12人の民主派の立候補を取り消してコロナ感染拡大を口実にして選挙そのものを1年か延期することを強行するなど民主派への締め付けを強めており、周庭氏ら民主運動家の起訴もその一環の”国策裁判“とみられている。

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