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錦織圭「真剣に議論する必要がある」 大坂なおみ「人々が不安を感じているなら議論すべき」 東京五輪開催に苦言

(2021年5月11日15:30)

錦織圭「真剣に議論する必要がある」 大坂なおみ「人々が不安を感じているなら議論すべき」 東京五輪開催に意見
(五輪について語った錦織㊧と大坂=インスタグラムから)

テニスの錦織圭(31=日清食品)が10日(現地時間)、イタリア国際が開催されているローマで東京五輪に言及した。「死人が出てまでも行われることではない」などと疑問符をつけたという。また大坂なおみ(23=日精食品)は開催を望みながらも「人々が不安を感じているなら議論すべき」と語った。

日刊スポーツ(11日付朝刊)によると、錦織は5月10日(現地時間)、イタリア・ローマで行われたBNLイタリア国際の1回戦でフォーニー(イタリア)に2-0で勝った後の記者会見で東京五輪に言及したという。

「こういう風にやるよと表明してくれれば具体的な意見も言える」といい、「例えば」と前置きして「死者がこれだけ出ていることを考えれば、死人が出てまで行われることではない」と疑問を投げかけたという。東京五輪昨年8月にコロナに感染した経験があるだけに「究極を言えば、1人でも感染者が出るなら、気は進まない」とも語ったという。

会見のVTRは11日朝に放送されたTBS系「ひるおび!」(月~金曜、午前10時)で取り上げられた。錦織は「IOCや日本側の中で何が起こっているか何も知りません。どのくらいの(選手らが外部の接触を断つ)”バブル“をつくっていくかもわかりません」とした上で「選手のことを考えれば開催してもいいかもしれない。ただ仮にいい”バブル“の状態がつくれたとしても、それでも感染のリスクはあると思います。日本の感染状況を考えると(五輪開催で)100人、1000人の感染者が出るかもしれません」と指摘した。
そして「コロナはとても感染しやすいですから、私の意見は(大坂)なおみ選手と同じです。選手たちが安全にプレーするためにはどうすればいいか真剣に議論する必要があると思います」と大坂なおみに賛同した。

■大坂なおみ「多くの人がリスクを抱え不安を感じているなら議論する必要がある」

大坂なおみは錦織の会見の前日の9日(現地時間)、オンラインの会見で「個人的にはもちろん東京五輪が開かれればと思っています」とした上で「たくさんの人たちが日本へ来るでしょう。だから適切な判断がされる必要がある。多くの人がリスクを抱え不安を感じているなら議論する必要があると思います」と語った。

■菅首相「国民の命と健康を守っていく…」を繰り返す

10日の衆院予算委員会で立憲民主党の山井和則衆院議員が「感染爆発のステージ4、感染急増のステージ3でオリンピックは開催しますか?」と質問したのを受けて菅首相は「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに国民の命と健康を守っていく。これが開催にあたっての基本的な考え方です」とあらかじめ用意された”答弁書“を読み上げた。
さらに立憲民主党の蓮舫代表代行が「この状況の中で東京オリパラ大会本当にやるんですか」と質問すると菅首相は「開催にあたっては選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して…」と全く同じ答弁を繰り返した。「国民の命と健康を守っていく」という言葉を12回繰り返したという。首相の“壊れたロボット”のような答弁に「開催ありき」で強硬しようとする思惑が透けて見えた。
菅首相は、4都府県の緊急事態宣言を5月31日まで延長することを決めたときの7日の囲み会見で、5月11日までの緊急事態宣言で感染者の数が減らず効果がなかったのではないかと質問されたときも「人の流れは確実に減った」と”成果“を繰り返した。語気を強めるなど記者の都合の悪い質問?に不快感がにじみ出ていた。
10日に発表されたNHKの世論調査によると菅内閣の支持率は先月より9ポイント下がって35%と昨年9月の内閣発足以降、最も低くなったという。支持しないは43%と支持するを上回った。
また、「東京五輪・パラ 観客をどうすべきか」という質問には観客の数を制限して行うが19%、無観客で行うが23%、これまでと同様に行うが2%で、中止すべきが49%だった。5月10日付けの読売新聞の全国世論調査では、観客を制限して開催するが16%、観客を入れずに開催するが23%、中止するが59%だったという。いずれにしても同じ言葉を繰り返すだけの”壊れたロボット”のようになっている国のリーダーを人間に戻すにはどうすればいいのかも真剣に議論する必要がありそうだ。