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徳井義実が1億円超の申告漏れで謝罪会見 「ルーズだった」発言が波紋も刑事告発なしの背景

(2019年10月24日)

徳井義実が1億円超の申告漏れで謝罪会見 「ルーズだった」発言が波紋も刑事告訴はなし
記者会見で釈明する徳井(フジテレビ「直撃ライブグッディ」から)

お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実(44)が設立した会社が1億円以上の申告漏れを東京国税局から指摘されたことが分かり、徳井は23日夜、大阪市内の吉本興業大坂非本社で緊急記者会見して謝罪し「ルーズだった」などと釈明したが「ルーズだったではすまされない」と波紋が広がっている。ただ刑事告発はされないという。

徳井は所属の吉本から、株式会社「チューリップ」(東京・世田谷区)を通じて出演料などを受け取っていたが、2018年3月までの3年間の法人所得約1億2000万円を申告していなかったという。さらに15年3月までの4年間、旅行代や洋服代などの約2000万円を会社の経費として計上していたが、個人的な支出で所得隠しと認定されたという。追徴税額は重加算税などを含めて約3400万円で、修正申告などをすでに済ませているという。

■徳井「想像を絶するだらしなさ、ルーズさ、怠慢がすべて」

会見した徳井は「私のだらしなさ、怠慢によりまして、しっかりとした納税をすることが出来ず、ちゃんと税金を納めていらっしゃる国民の皆様に対しまして多大なるご迷惑をおかけして、多大なる不快感を与えてしまったことを本当に申し訳ないと思っています。本当にすみませんでした」と謝罪し深々と頭を下げた。

報道陣から「3年も前から申告すらしていなかったのは信じられないこと」といわれて担当の税理士から申告するよう言われていたが、「想像を絶するだらしなさ、ルーズさによって、やりますといっていながら1週間延び1か月延びという状態で3年たってしまった」という。「ルーズだったというしかなく、甘さ、怠慢がすべてだと負います」などと「ルーズ」を連発して釈明した。

また経費として計上した洋服代や旅行代を個人的な支出で所得隠しと判断されたことについては「洋服代というのは、劇場だったりテレビの仕事も私服でやる部分もありますので、仕事に使っている分に関してはこれは衣装代だろうと思っていたんですがそれは100%落とせるものではなかった」という。
また旅行代については「僕らの仕事は何か行動してネタを集めてそれを話すという仕事でもあるので、もしかしたら後に仕事になるよなっていう意識で税理士さんの方に領収書を渡してしまっていたのかもわからないです」と語った。

■「恥ずかしくて穴があったら入りたい」

「44(歳)の社会人でこんなおっさんが、国民の誰しもの義務である納税っていうものをしっかりできてなかったというのは、本当に自分でも恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいです」といい、「これからはしっかりと、今までルーズやった分、ほかの方よりももっと厳しい意識で税金の取り組んでいこうと思います」と語った。

今後の仕事に関しては「この仕事しかしてませんので、できれば仕事を続けさせてもらえればいいなあとは思いますが、僕の仕事は劇場に見に来てくれるお客さんとか、テレビやラジオを観たり聞いたりしてくれるお客さんがいないとできない仕事なんで、その方々が徳井が出ていると気分が悪い、お前はもう仕事をしなくていいっていう判断をされたんであれば、仕事が出来なくなっても致し方ないと思っています。お客様もそうですし、僕を使ってくださるテレビ局であるとかスポンサーの方、企業の方々であるとか、その人たちにも、もう必要ないといわれれば、使わないといわれれば致し方ないと思っています」と視聴者やテレビ局の判断にゆだねるとした。

■脱税額が1億円を超えると国税局が検察に告発して刑事事件に発展

一方で、徳井は以前にも複数回国税局から無申告を注意されていたという。それでも脱税として刑事告発されないのは、1億2000万円は意図的な所得隠しではなく申告漏れで、所得隠しと認定された金額が2000万円でそれによる脱税額は約500万円と少なかったためだという。一般的に脱税額が1億円を超えると国税局が東京地検などに告発して地検は法人税法違反などで逮捕・起訴する。脱税額が大きくて書時隠しの手口が悪質なら罰金に加えて実刑になるケースもある。

1990年代に民放テレビ局の大物プロデューサーが社長を務める番組制作会社が架空の経費を計上する手口で3年間で6億円超の所得を隠して約1億5000万円を脱税し、東京国税局は東京地検に法人税法違反(脱税)で告発して起訴された事件があった。プロデユサーは懲役1年6月(執行猶予3年)、番組制作会社は罰金5000万円の判決を受けた。

徳井は数多くのレギュラー番組を抱えており、各局は対応に追われた。日本テレビは「しゃべくり007」「人生が変わる1分間の深イイ話」など4本のレギュラー番組について「番組の放送について変更の予定はない」としている。フジテレビ(「テラスハウス」など)、NHK(「シブヤノオト」)、TBS(「人生最高のレストラン」など)は「事実関係を確認中」としているという。チュートリアルは2012年から京都文化観光大使を務めているが京都府は大使の契約を更新しないことを決めた。ただし相方の福田充徳は継続する方向だという。