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第74回カンヌ映画祭、濱口竜介監督らが日本映画初の脚本賞

(2021年7月19日10:45)

第74回カンヌ映画祭、濱口竜介監督らが日本映画初の脚本賞
(脚本賞を受賞した濱口竜介監督㊨=カンヌ国際映画祭の公式サイトから)

第74回カンヌ国際映画祭の授賞式が17日(日本時間18日)に開かれ「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(42)と共同脚本の大江崇充氏(40)が脚本賞を受賞した。カンヌ映画祭で日本映画が脚本賞を受賞するのは史上初。濱口監督は昨年のベネチア映画祭で共同脚本を担当した「スパイの妻」(黒沢清監督)が銀獅子賞(監督賞)を受賞。今年3月にはベルリン映画祭で監督作の「偶然と想像」が銀熊賞(審査員大賞)を受賞しており、世界3大映画祭2冠の快挙となった。

NHK NEWS WEBによると授賞式に出席した濱口監督は「脚本は映画には映っていないわけなので、脚本がすばらしいと思っていただけたというのはそれを表現する役者たちが本当にすばらしかったからだと思います。役者たちこそ私の物語だというふうに思っています」と述べた上で西島秀俊や三浦透子など映画に出演した俳優たちの名前を読み上げたあと「役者の皆さんがこの物語を自分の体で本当にすばらしく表現してくれたと思います。もしよろしければ、今ここで、海の向こうにいる、この役者、そしてその役者を支えてくれたスタッフの皆さんに大きな拍手を、皆さんから送っていただけたらありがたいと思います」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が沸き起こったという。

「ドライブ・マイ・カー」は村上春樹氏の同名小説が原作。脚本家の妻を突然なくした西島秀俊が演じる舞台俳優の演出家が、専属の運転手(三浦透子)と出会いともに過ごすうちに、目を背けていた妻の秘密と向き合っていくという内容。国際映画批評家連盟賞とエキュメニカル審査員賞なども受賞した。8月20日公開予定。

最高賞のパルムドールは、ジュリア・デュクルノー監督(フランス)の「チタン」が受賞した。グランプリはアスガー・ファルハディ監督(イラン)の「ヒーロー」と、ユホ・クオスマネン監督(フィンランド)の「コンパートメントNo.6」。監督賞は「アネット」のレオス・カラックス(フランス)、女優賞は「ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド」のノルウェー人女優レナーテ・ラインスぺ、男優賞は「ニトラム」のケインレブ・ランドリー・ジョーンズが受賞した。