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上方落語を代表する笑福亭仁鶴さん、骨髄異形成症候群のため死去 84歳

(2021年8月21日10:30)

上方落語を代表する笑福亭仁鶴さん、骨髄異形成症候群のため死去 84歳
笑福亭仁鶴さん(吉本興業の公式サイトから)

上方落語の重鎮でテレビ・ラジオでも活躍した笑福亭仁鶴さん(本名・岡本武士=おかもと・たけし)が骨髄異形成症候群のため17日、大阪府内の自宅で死去した。84歳だった。仁鶴さんが特別顧問を務める吉本興業が20日、公式サイトで発表した。

仁鶴さんは上方落語を代表する落語家として活躍する一方、1969年にスタートした毎日放送(現・MBS)の「ヤングおー!おー!」で初代司会を務め全国区の人気を得た。ラジオ番組内で「どんなんかな~」「うれしかるかる」などのギャグを連発して若者に絶大な人気を博した。さらにはNHK「バラエティー生活笑百科」の「四角い仁鶴がまあるくおさめまっせ」などのフレーズがブームになり吉本興業の「お笑い」の「中興の祖」といわれた。

■吉本興業の「笑福亭仁鶴、訃報のお知らせ」全文

落語家で弊社特別顧問 笑福亭仁鶴(本名・岡本武士、おかもとたけし、1937年1月28日生まれ)が8月17日(火)、骨髄異形成症候群のため、大阪府内の自宅で逝去しました。満84歳でした。すでに近親者、関係者で葬儀は滞りなく執り行われました。

笑福亭仁鶴は、上方落語家の存在を全国に広め、以後、長きにわたり上方落語界の発展に尽力し、多数の所属タレントが劇場にとどまらずテレビやラジオなどさまざまな場所で活躍できる現在の弊社の礎を築いた「中興の祖」でありました。

大阪市生野区出身。1962年、6代目笑福亭松鶴に弟子入りし、翌年、3代目林家染丸師匠からの紹介で弊社に所属。劇場で高座に上がりながら、テレビ、ラジオ、ドラマ、映画、舞台など多彩な才能を各方面で発揮しました。

深夜ラジオ番組「オーサカ・オールナイト夜明けまでご一緒に」(ラジオ大阪)、 「ABCヤングリクエスト」(朝日放送ラジオ)などでは、現代のラジオ番組の原型を作り上げ、ラジオ番組内で「どんなんかな~」「うれしかるかる」などのギャグを連発し、当時、若者から絶大な人気を博しました。

1967年4月、吉本新喜劇女優で「たかこ姫」の愛称で親しまれた永隆子さんと結婚。その後の活躍はさらに目覚ましく、1969年スタートの「ヤングおー!おー!」(毎日放送)では初代司会者に抜擢されるなど、その人気ぶりから「視聴率を5%上げる男」と評されました。

同年、ラジオ番組の企画で自ら作詞を手掛け、ビル掃除で働き懸命に子どもを育てる母親にエールを送る楽曲「おばちゃんのブルース」は多くの人に愛され、大ヒットしました。

1985年に始まり、「四角い仁鶴がまぁーるくおさめまっせ~」のセリフで有名な法律バラエティ番組「バラエティー生活笑百科」(NHK大阪)では、30年以上司会を務め、長きにわたり、お茶の間に親しまれました。

70歳を超えてからも精力的に落語の独演会を開催し、晩年になんばグランド花月で披露した「不動坊」は後輩たちが継承する上方落語の代表作といえます。

皆様には、故人生前に賜りましたご厚誼に深く感謝しますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。

なお、自宅住所、喪主は非公表とさせていただきます。お別れ会の予定は現在のところありません。

■骨髄異形成症候群とは

骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndromes)は、3種類の血液細胞(赤血球、血小板、白血球)の大もとになる造血幹細胞に異常が起こった病気です。
骨髄異形成症候群では、血液細胞が減少し、正常に働かなくなるためにさまざまな症状があらわれますが、無症状のまま、健康診断の血液検査で血球減少などの異常により見つかる場合も多くあります。(以下略)( 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターのHPから)