木村花さんの母親、「テラハ」問題でフジを提訴へ「出演者の人権が守られていたのかを裁判で明らかにしてほしい」

(2021年12月17日12:45)

プロレスラーの木村花さん(当時=22)がフジテレビ系恋愛リアリティ番組「テラスハウス」出演をめぐって誹謗中傷され自死した問題で、母親の木村響子さん(44)が来年にもフジテレビと制作会社に損害賠償を求めて提訴することを明らかにした。

木村花さんを中傷した男が書類送検
(木村花さん=インスタグラムから)

響子さんは16日、都内で弁護団と記者会見して「多くの人の人生を狂わせる番組だった。出演者の人権が守られていたのかを裁判で明らかにしてほしい」「などと語った。

響子さん側は番組の過剰な演出などが原因で花さんは誹謗中傷を受け自殺に追い込まれたと主張。響子さんの代理人弁護士は、フジテレビと制作会社の安全配慮義務違反や、制作・編集などにおける過剰な演出、花さんが中傷を受けた後の対応などが主要な争点になるとの見方を示したという。

響子さんは東京地裁にフジテレビと制作会社に対してテラスハウスの未公開動画の未編集記録や、編集段階を含む動画データなどの証拠保全を申し立て、地裁は認める決定をしたが、両者は応じていないという。今後は裁判の中で証拠提出を命令する「文書提出命令」を出すことを申し立てることを検討しているという。損害賠償の請求金額は未定。提訴時期は来年中としており、響子さんは「どういう理由で花が追い詰められたのか、番組の問題点を明らかにしたい」と語ったという。

花さんは昨年放送された「テラスハウス」をめぐってSNSで匿名の誹謗中傷を受け昨年5月23日に自殺した。番組は打ち切られ、この問題をめぐっては放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が3月に「放送倫理上の問題があった」と発表していた。
フジテレビは「まだ訴訟を起こされていない現段階では、コメントを控えさせていただきます」とした。制作会社は「本件につきましては係争中につき、全てコメントは差し控えさせていただきます」としているという。

木村花さんが出演していたフジテレビ系のリアリティ―番組「テラスハウス」をめぐっては、花さんの試合用の衣装を男性の共演者が誤って乾燥機にかけてしまい使えなくしてしまったことで、花さんが同共演者を叱責して帽子をはたいて落とすシーンがNetflixとフジテレビで配信・放送されたことが発端で、花さんへの誹謗中傷がエスカレートした中で花さんが自殺したとみられている。
木村花さんは1997年9月3日生まれ。神奈川県横浜市出身。母親は元女子プロレスラーの木村響子さんで、実父はインドネシア人。2016年3月にWRESTLE-1でプロレスデビュー。2019年にスターダムに入団。プロレスデビュー前はラウンドガールも務めていた。華のある女子プロレスラーとして人気があった。