東山紀之、ジャニー氏の性加害問題を謝罪「ジャニーズという名前を存続させるべきなのか」

(2023年5月20日14:00)

東山紀之、ジャニー氏の性加害問題を謝罪「ジャニーズという名前を存続させるべきなのか
ジャニーズ事務所(東京・港区)

ジャニーズ事務所所属の東山紀之(56)が21日朝、MCを務めるテレビ朝日系「サンデーLIVE!!」(日曜午前5時50分)で、ジャニー喜多川前社長(19年87歳没)の性加害疑惑について謝罪した。番組内では中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也氏(61)が「完全に事務所から独立した弁護士のようなチームを作って徹底的な調査をしてもらうことが必要」などと同問題について見解を述べた。

番組では午前6時20分からジャニー氏の性加害問題を取り上げ、14日にジャニーズ事務所の公式サイトで公開された藤島ジュリー景子社長の謝罪動画を放送し、今後コンプライアンス委員会に加え相談を受ける外部窓着血を設置していることを明らかにしたことを伝えた。
そして16日に、立憲民主党が自動虐待、性被害などの法整備について国会でヒアリングを開き、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26)や橋田康さん(37)が出席して、再発防止に向けて法整備の必要性を訴えたことを伝え、オカモト氏は「芸能界に限らず、未成年者が、絶対的立場が上の人から何かを要求されたときに、拒むのは難しいと思います。ぼくたちのような被害者が今後生まれないための法理の整備がされることを強く願っています」と訴える映像も放送された。

■東山「心を痛めた全ての方々、本当に申し訳ありませんでした」

その後、東山が「ここで少しお時間をいただきます。先日、事務所より喜多川氏に関する公式見解が出されましたので、私自身の考えを伝えさせていただきます」と前置きして同問題について言及した。

「この件に関しましては、最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちには極力待ってもらいました。彼らの心遣いに感謝します」とジャニーズの最年長タレントとしての立場について語り,「今回の、喜多川氏に対する元Jr.たちの勇気ある告白は真摯に受け止めねばなりません。実際に被害を訴えられていることは、本当に切実で、残念でなりません。未成年に与えた心の傷、人生の影響は計り知れません」と伝えた。  

「今回、事務所から再発防止策が出されましたが、我々もどのような未来を迎えるべきなのか、現在在籍しているタレントはどうすべきなのか、告発されたみなさんにどう対処するべきなのか、そもそもジャニーズという名前を存続させるべきなのかを含め、外部の方とともに全てを新しくし、透明性を持ってこの問題に取り組んでいかなければならないと思っています」と決意を語った。

そして「心を痛めた全ての方々、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪し、「今後は、今いるみんなとともに、安心して応援していただけるよう、一丸となって全力を尽くしてまいります。日曜の朝にこのような話をしてしまい、重ね重ねお詫びを申し上げます」と頭を下げた。

■野村修也氏「完全に事務所から独立した弁護士のようなチームを作って徹底的な調査をしてもらうことが必要」

その後、東山はコメンテーターとして出演していた中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也氏に「この問題をどうとらえてますか」と聞いた。

野村氏は「大事なのは調査と相談。そしてもう一つは再発防止をどうするかということだと思うんですね。調査は非常に大事で、事務所がもみ消しをしているんじゃないかと思われることは絶対に避けなければいけない。ですから徹底的にやらなきゃいけないんですけども、この事案が非常にプライバシーにかかわる部分があるので、それをすべての人に公表すればいいかというと、必ずしもそうではないわけです。こういう時はどうするかといいますと、完全に事務所から独立した弁護士のようなチームをしっかりと作って、この人たちに徹底的な調査をしてもらう。そしてその結果を、その弁護士が再発防止策として事務所に対して厳しく提案していくという、こういう体制を作るということが一番大事なんだろうなと思います。そうすれば必ずしもその結果を公表することがなくても、世間の方々はそのチームを信頼してくれれば、これによってきちっと事実関係は洗い出されたんだと信じてもらえるんじゃないかと思います」と第三者による検証・調査の必要性を指摘した。

「もう一つ大事なのはなんといっても相談の体制を作るということなんですけれど、今おそらくですね所属されているタレントさんの中には加害者は誰もいないわけなんですね。にもかかわらず誹謗中傷を受けたり、つらい思いをしている方々がいるということですから、その方に対してもケアをしていかなければならない。それを事務所がケアするかというと、事務所に対する信頼を失っている人たちもいるわけですから、やはり外部の人たちがしっかりと相談を受けて、その相談内容を事務所に対して、改善という形で提案していく形を作ることが非常に重要だと思います。おそらくタレントさんたちは悪いわけではないわけですから、そこをどうやって守っていくかということを、事務所がかばうんではなくて、社会の人たちの目を通して守るべきところをしっかり守っていくというあり方が大事だと思います」と指摘した。

「あと最後はやはり、再発の防止策をどうやって提示できるかということなんですけど、おそらくデビューのさせ方とか育成のさせ方とか、そういうところに、これまでの慣行の中に何か落とし穴があったんじゃないかなと思うんですね。これは自分じゃなかなかわかりませんので、外部の調査をした人たちが、こうすべきではないかという提言を真摯に受け止めて、できるところからちゃんと着手していくこと。これについてはプライばシーに関わりませんので、新しくやることを、適宜どんどん世間に対して公表していって、改善しているんだという姿を見て信じてもらうことになるのかなと思います」と指摘した。

そして「今一番厳しい状況に置かれていて、決して簡単な道のりではないと思うんですね。ですからやはり事務所自体は自分で何かこの問題を差配しようとは思わずに、俎板の鯉となって、しっかりと自分たちはどうすればいいのかを模索していくことが大事なんではないかと思います」と締めくくった。

これを受けて東山は「しっかり道しるべを作ってこれを第一歩としていきます」と述べた。

東山は1979年にジャニーズ事務所に入所。1982年に錦織一清、植草克秀と少年隊を結成して1985年、「仮面舞踏会」でレコードデビュー。2008年以降は俳優業を中心にTBS系「源義経」、テレビ朝日系「必殺仕事人」シリーズ、などのドラマや、映画・舞台になった。

■ジャニー氏の性加害疑惑の経過

 ジャニー氏の性加害疑惑では、3月に英公共放送が放送したのをきっかけに、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26)や橋田康さん(37)らが、ジャニー氏から性被害を受けたことを実名・顔出しでで告発し、以前は沈黙していた全国紙やテレビも報道するなど波紋が広がっている。
ジャニーズ事務所は、藤島ジュリー景子社長が14日、事務所の公式サイトに謝罪する動画を掲載して、各方面からの質問に文書で回答した。カウアン氏の被害が事実かどうかについては「当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません」などとした上で、ジャニー氏が故人であることなどから「個別の告発内容について『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには臆測による誹謗(ひぼう)中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます」と回答を回避していた。