オノ・ヨーコ、篠山紀信さんを追悼 ジョン・レノン「ダブル・ファンタジー」の写真撮影「運命づけられていた」

(2024年1月6日14:00)

オノ・ヨーコ、篠山紀信さんを追悼 ジョン・レノン「ダブル・ファンタジー」の写真撮影「運命づけられていた」
篠山紀信さん㊨とオノ・ヨーコ(X/@yokoono)

写真家の篠山紀信さんが4日、老衰のため都内の病院で死去した。83歳。ジョン・レノンの妻でアーティストのオノ・ヨーコ(90)は6日、X(旧ツイッター)に篠山さんが撮影したレノンのアルバム「ダブル・ファンタジー」で夫妻がキスする有名なジャケット写真などを投稿し追悼のコメントを発表した。 オノは「篠山紀信さん安らかに」と追悼し、世界的に有名になった「ダブルファンタジー」のジャケット写真を篠山さんが撮影したことについて「ジョンと私が5年間の沈黙を破ってアルバム『ダブル・ファンタジー』を作ろうと決めたとき、写真撮影を誰に頼もうかと悩んだ。二人で考えていると、突然、篠山紀信の顔が浮かんだ。私は”今回だけは、ぜひ日本人のカメラマンにお願いしたい"と言った。ジョンも すぐに"そうだね、いいね "と同意した。まさか "一度だけ "が、ジョンと私が一緒に作った最後のアルバムになり、"一度だけ "が永遠に生き続けることになるとは思ってもみなかった」と振り返った。
さらに「世界中のフォトグラファーの憧れの仕事であり、その写真を撮るのは篠山紀信であることが運命づけられていたのだとつくづく思う。そして、ダブル・ファンタジーの写真が世界中の人々の目に触れることになった」と伝えた。
そして「篠山紀信さんは、淡々と、それでいて一枚一枚に集中して撮影してくれたので、出来上がった写真を見て、嫌いな写真は一枚もなかった。彼の作品は本当に素晴らしい」と紀信さんの写真家としての仕事ぶりを称賛した。

「スターティング・オーヴァー」などのジョンのヒット曲を収録した「ダブル・ファンタジー」は1980年11月17日リリースのアルバム。「キス・キス・キス」などオノ・ヨーコ作詞・作曲の曲も多数収録されている。
1975年に息子ショーンが生まれ、ジョンは育児に専念するために音楽活動を休止。1980年8月、5年ぶりに復帰してレコ―ディングを行った。全英アルバムチャートなど多くの国のアルバムチャートで1位を獲得。1981年グラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞した。ジョンは同年12月8日、マーク・チャップマンの凶弾に倒れ、「ダブル・ファンタジー」は最後のアルバムとなった。篠山さんが撮影した、ジョンと・オノがキスをしているジャケット写真は世界的に有名になった。

写真集「Santa Fe」(91年11月)の宮沢りえ(50)は、インスタグラム・ストーリーズに篠山さんと楽しそうに笑いあう動画を投稿して篠山さんをしのんだ。同写真集は当時18歳の宮沢がヌードになったことでセンセーショナルに話題になり、写真集としては異例の165万部のベストセラーになった。
篠山さんは、樋口可南子(65)の「Water fruit」(91 年3月)や、本木雅弘の「white room」(同年9月)でヘアヌードを撮影してヘアヌード写真集の先駆者的存在として知られる。また「週刊朝日」の表紙連載「女子大生」シリーズからは宮崎美子(65)を輩出。さらには「GORO」(小学館)で、山口百恵や松田聖子、中森明菜などの当時人気絶頂の芸能人や無名の市井の人を撮った「激写」シリーズが人気を呼んだ。妻は元歌手の南沙織さん。次男はタレントの篠山輝信。