演歌歌手の八代亜紀さん死去 73歳 「舟歌」「雨の慕情」

(2024年1月9日20:00)

演歌歌手の八代亜紀さん死去 73歳 「舟歌」「雨の慕情」
八代亜紀さん(Instagram/@aki_yashiro)

「舟歌」「雨の慕情」など数多くのヒット曲で知られる”演歌の女王”八代亜紀さんが昨年12月30日に死去したことを9日、所属事務所が発表した。73歳だった。昨年9月に膠原病の一種の指定難病を発症して療養を続けていたが容体が急変して都内の病院で亡くなったという。

八代さんの所属事務所は公式サイトで「2023年9月に膠原病の一種であり指定難病である抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎と急速進行性間質性肺炎を発症し療養を続けておりました弊社所属の八代亜紀が12月30日に永眠いたしましたことを謹んでご報告申し上げます」と報告。「葬儀は八代自身の強い遺志により社スタッフのみで2024年1月8日に執り行いとても穏やかな顔で旅立ちました」としている。

「一日も早い復帰を目指し治療とリハビリに励んでおりましたが 容態の急変により皆様へこのようなご報告をしなければならなくなりましたことは 無念でなりません」と伝えた。
そして「代弁者として歌を歌い表現者として絵を描くことを愛し続けた人生の中で常に大切にしていた言葉は『ありがとう』でした 『一人では何も出来ない、支えてくれる周りの皆様に感謝を』という父と母からの教えを八代自身は体現し続けて参りました
療養期間中も傍で支えるスタッフや医療従事者の皆様に『みんなありがとう』と感謝を伝え 最期まで八代亜紀らしい人柄が滲み出ておりました」としたうえで「これから先いつまでも八代亜紀が命を吹き込んだ作品の数々が沢山の人達に愛され 皆様の心の中に生き続けることを八代自身も望んでいると思います」としている。
後日、お別れの会を執り行う予定で、詳細については改めて発表するという。

八代さんは昨年9月、自身のインスタグラムで「膠原病の治療に専念するため、2023 年いっぱいは、お仕事をお休みさせていただきます。少しの間、大好きな歌と絵から離れなきゃいけないのは寂しいけれど、必ず元気になって戻ってきますので待っててね」などと報告していたが復帰はかなわなかった。

■八代亜紀(やしろ・あき、本名=増田明代)
1950年8月29日生まれ。熊本県八代郡金剛村(現・八代市)出身。芸名の八代姓は出身地の八代(やつしろ)市からとり、語呂の良さから「やしろ」という読みにしたという。1971年、「愛は死んでも」でデビュー。1973年、「なみだ恋」が120万枚のヒット。「しのび恋」「もう一度逢いたい」など、ハスキーな歌声で情感たっぷりに女心を歌ったヒット曲を連発。1979年、「舟歌」が大ヒット。1980年の「雨の慕情」で第22回日本レコード大賞を受賞。NHK紅白歌合戦で2年連続で大トリを務め「演歌の女王」と呼ばれるようになる。2012年ごろからジャズ、ブルースも歌う。また写実的な油絵を描く画家としても活躍した。