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TBS、ハラスメント調査で追加報告 番組出演者から「キスを求められた」アナウンサーなど4件のセクハラ確認
(2025年4月26日12:00)

TBSが25日、「芸能関係者と当社社員の関係調査についてのご報告(追加)」として、アナウンサーらが番組出演者から「キスを求められた」などの複数のセクハラがあったことを報告した。「困っていたにもかかわらず、その場にいたプロデューサーら番組関係者はこれを止めなかった」など「番組出演者の当社社員に対するハラスメントについて当社の対応が不十分であった事案を確認しました」としている。
TBSは元タレント・中居正広氏による元フジテレビアナウンサーに対する「性暴力」をめぐる一連のフジテレビの問題を受けて、芸能関係者と社員の会食などについて実態を調査して、2月21日に、社員が参加した芸能事務所関係者主催の会食などで参加者からの不適切な言動が確認できず、同社社員が不適切な目的で会食などを設定した事実御確認されなかったとの報告をしていた。
調査はその後も引き続き行われ、これまでに「アナウンサーを含む当社社員、役員、退職者から聞き取り調査を行った」という。そしてその後の調査で、過去の事案として「番組出演者の当社社員に対するハラスメントについて当社の対応が不十分であった事案を確認しましたので、その概要と今後の取り組みについてご報告します」として具体例を明らかにした。「なお、二次被害を防止するため、関係者の特定につながる情報の公表は控えさせていただきます」としてうえで。「各位におかれても、関 係者の探索は控えていただきますようお願いいたします」と要請した。
確認された具体例として4件を上げた。
「約2年前、当社のアナウンサーが番組出演者から収録の際に舞台袖で身体接触の被害を受けた。当該アナウンサ は直接やめてくださいと伝え、その場にいたスタッフが注意したが、出演者の態度はその後も変わらなかった」という。
そして「約15年前、当社の複数のアナウンサーが番組出演者からスタジオで身体接触の被害を受けたが 適切な対応がとられなかった」。
さらに「約1年前、番組の懇親会で、当社のアナウンサーが番組出演者からキスを求められ、困っていたにもかかわらず、その場にいたプロデューサーら番組関係者はこれを止めなかった」としている。
「こうした事案に適切に対応できなかった原因は、当時、ハラスメントに対する当社の認識が不足しており、研修や相談の体 制なども不十分だったことにあります。被害を証言した一人は『昔だから仕方ないという考えはやめていただきたい。心の傷となって、話すまでかなり時間がかかりました』と話しています。 こうした声を重く受け止め、当社が社員を守れなかった事実を深く反省し、被害を受けた方々にあらためてお詫び申し上げます」とした。
そして「今後の取り組み」について「TBS グループでは、2023年3月にTBS グループ人権方針、TBS グループサステナブル調達ガイドラインを策定し、全ての企業活動において人権を尊重することや、ハラスメントを認めないことを明確にしました。その後、旧ジャニーズ事務所を めぐる問題を受けて、2024年4月にコンテンツ制作のパートナー社を対象に人権デューディリジェンス (人権 DD)を実 施。コンテンツ現場にどのような人権リスクが存在するかの特定を行い、その結果を受けて『コンテンツ制作における人権尊重 のための指針』を策定し、コンテンツ制作パートナー社の皆さまと共有するとともに、 新たな外部救済窓口として JaCER- 般社団法人ビジネスと人権対話救済機構に入会しました。2025年度からは、テレビ放送番組出演契約書に人権尊重 条項を追加するなど、人権リスクの顕在化を防ぐ取り組みを進めています」とこれまでの取り組みについて明らかにした。
また「社員・スタッフに対しては昨年から『TBS グループ人権 WEEK』を実施、今年2月の2回目の人権 WEEK では、様々 な人権課題に関する6つの講座にのべ1000人が参加しました。 新入社員研修、管理継研修などの機会にもハラスメン ト講習を実施しています。 さらに、 ハラスメント事案が発生した場合の通報に関しても、『TBS ホットライン』『ハラスメント相談 窓口』を設け、社内だけでなく外部の窓口も設置して、相談しやすい環境を整えております。 通報体制に関しても社内の周 知徹底を行い、対策を強化してまいります」と報告した。
さらに「3月末に公表されたフジテレビの第三者委員会による調査報告書は、ハラスメントという人権課題は『メディア・エンターテ インメント業界における構造的な課題である』と指摘しました。こうした指摘も真摯に受け止めて、社員・スタッフのみならず 私たちと一緒に働くすべての仲間の人権が守られるよう、そして、私たち自身が人権侵害をすることが無いよう、なお一層不 断の努力を続けて参ります」としたうえで「今後、 新たに公表すべき重大なコンプライアンス違反の事案が確認された場合は、速やかに公表いたします。 当社社員 は真摯に日々の業務に邁進しております。 SNS 等での誹謗中傷や則に基づく投稿などはお控えいただきますようお願いいたします」と締めくくった。
タレントらによるアナウンサーらへの「性加害」はフジテレビに限った問題ではないといわれていたが、TBSの今回の追加報告でそれが明らかになったといえそうだ。
「その場にいたプロデューサーら番組関係者はこれを止めなかった」、またアナウンサーが「被害を訴え、対処を求めた。責任者が当該出演者を口頭で注意したが、降板等の措置は取らず番組出演は続いたため、被害を受けたアナウンサーは当社の対応に強い不満を持った」など、会社側の不適切な対応もフジテレビのケースと類似している。
「フジ、TBS以外でも調査を行っており、複数の局は不適切な問題は確認できなかったとしているが、TBSのように徹底的に調査をして追加の公表をすることが望ましい。そして性加害疑惑をアナウンサーらに告発されたタレントは、名前を公表しなくても番組出演を一定期間控えるなどの処分も必要なのではないか」(テレビ関係者)との声も上がっている。