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米R&B歌手R・ケリー被告に有罪評決 終身刑の可能性も 性的人身売買罪など

(2021年9月28日12:40)

米R&B歌手R・ケリー被告に有罪評決 終身刑の可能性も 性的人身売買罪など
R・ケリー被告(インスタグラムから)

米R&B歌手のR・ケリー被告(54)が、数十年にわたって少年、少女らを性的に虐待してきた罪などに問われた裁判で27日(現地時間)、ニューヨークの連邦裁判所の陪審は組織犯罪を含む9件の罪状すべてに有罪評決を下した。来年5月4日に量刑が言い渡されるが最高で終身刑が言い渡される可能性があるという。ケリーの弁護人は上訴を検討しているという。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、「アイ・ビリーブ・アイ・キャン・フライ」(I Believe I Can Fly)などのヒット曲で知られるケリーは、子どもの性的搾取や性的人身売買、贈賄、マン法違反など9つの訴追事実すべてで有罪となった。マン法とは、不道徳な目的のために女性や少女を州を越えて移送することを禁止する米国の法律。

来年年5月4日(現地時間)に予定されている量刑言い渡しでは、禁錮10年から最高で終身刑の判決を受ける可能性があるという。ケリーの弁護士は評決後、上訴する可能性が高いと述べたという。

ジャクリン・カスリスト連邦検事代理は、評決後に「この事件の被害者の皆さんの声が聞かれ、ついに正義が果たされました」と述べた。男性7名、女性5名の陪審員は、2日間で約9時間の審理を行い全員一致で有罪評決に達したという。

検察はケリーが「インナーサークル」と呼ばれる友人や従業員のネットワークを使って、被害者を州境を越えて移送し、彼らの行動をコントロールし、性的虐待を助長していたと指摘した。被害者も相次いで証言した。最初に証言台に立ったのはジェロンダ・ペイスさんで、彼女はケリーが18歳未満の時にシカゴ郊外の邸宅で開かれたパーティーで番号を交換した後、数ヶ月の間に繰り返しセックスをしたと述べた。最後に会ったとき、ケリーは、ペイスさんが携帯電話でメールをしていて、彼が部屋に入ってきたときに声をかけなかったことに激怒して彼女の顔を殴り、彼女を責めた後オーラルセックスを強要したと証言した。証言の間、彼女は日記を読み上げ時には涙を拭うために中断したという。

ケリーの弁護士は、ペイスさんや他の告発者を、ケリーに夢中になったヒステリックなファンであり、彼が自分たちの誘いを断ったために彼についての話をでっち上げたなどとして無罪を主張した。

R&B歌手のアリーヤ(2001年、飛行機墜落事故で22歳没)も被害者の一人で1994年、15歳のときにシカゴのホテルの部屋でケリーと不法に結婚した。ケリーはこの結婚を成立させるために自分の側近を利用したという。ケリーの元ツアーマネージャーは、シカゴ地区の福祉事務所の職員に賄賂を渡し、アリーヤの年齢18歳と記載した偽のIDを作らせたと証言した。当時、ケリーは27歳だった。検察は、ケリーがアリーヤと結婚したのは、未成年者との性交渉による刑事責任を逃れ、彼女が虐待について自分に不利な証言をするのを阻止するためだったと指摘した。

被害者の一人ソニアさんの代理人は、彼女のコメントを読み上げた。「陪審員が私たちの話を聞いてくれたことに感謝しています。私はロバート・ケリーに脅迫されていたため、恐怖で身を隠していましたが、恐怖から解放されて自分の人生を愛し、癒しのプロセスを始める準備ができました」としている。

ケリーは、ニューヨーク以外でも罪に問われている。ミネソタ州では未成年者への売春行為、イリノイ州では児童ポルノと業務妨害の容疑で訴追されているという。