アレック・ボールドウィンの銃誤射死傷事件、小道具の銃担当は代替要員だった 事件前にも3回誤射

(2021年10月23日12:30)

アレック・ボールドウィンの銃誤射死傷事件、小道具の銃担当は代替要員だった 事件前にも3回誤射
アレック・ボールドウィン(Instagram/@ alecbaldwininsta)

アレック・ボールドウィン(63)が21日(現地時間)、映画「ラスト」の撮影中に小道具の銃を誤射して撮影監督が死亡し監督が負傷した事件で、銃に実弾が装てんされていたことが分かった。また銃を扱った小道具係は、撮影現場の安全性が不備だとして組合が抗議している中、代替要員として連れてこられた人物であることが分かった。撮影現場の安全対策の不備が指摘されており刑事事件に発展する可能性が出てきた。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)は関係者の話として、事件当日小道具の銃を担当していた小道具係は非組合員で、組合員の代わりに雇われたと報じた。事情を知る別の関係者が同紙に語ったところによると、ボールドウィンが銃を発射する前に、労働組合員の一団が、安全対策が不十分だと主張して21日朝(現地時間)、ニューメキシコ州サンタフェ近郊のボナンザクリーク牧場にある映画のセットから立ち去っていたという。

労働組合の主張によると、小道具の銃には実弾が入っており、それが発射されて撮影監督のハリナ・ハッチンスさん(42)が死亡し、ジョエル・ソウザ監督(48)が負傷したという。

ロサンゼルス・タイムズ紙は、16日に2回、前週に1回、小道具の銃が誤射されたことを報じ、「このセットでは安全会議が著しく欠如していた」と語るスタッフの証言を伝えた。死亡したハッチンスさんはより安全な労働条件を求めていたという

問題の小道具の銃は事件の前に何度も誤射したと報じられている。彼らに代わって非組合員の労働者が数名現れ、制作スタッフの一人が組合員のクルーに退去を命じたと伝えられている。タイムズ紙によると、事件は組合員たちが立ち去ってから約6時間後に起こったという。ボールドウィンでの銃撃事件を受けて、映画製作者と俳優はセットでのより安全な銃のルールを求めている。

ロサンゼルスの弁護士ルイス・シャピロ氏は、銃誤射事件は、不当死亡訴訟や刑事事件に発展する可能性があると指摘したという。「銃に正しく装填され、正しく使用されていることを確認する注意義務はどこにあるのか?その義務は俳優にはありません。役者は何かを渡されただけです。注意義務は小道具担当の人にある」としている。
小道具係を代表する組合のスポークスマンは22日、ハッチンスさんの死を「言葉にできないほどの喪失感」とし、組合員に対し、「何らかの理由で撮影現場で危険を感じた」場合には組合に連絡するよう呼びかけた。

■アレック・ボールドウィン「私のショックと悲しみを伝える言葉がありません」

ボールドウィンはツイッターで、「妻であり、母であり、深く尊敬する我々の同僚であったハリナ・ハッチンスの命を奪った悲劇的な事故に関して、私のショックと悲しみを伝える言葉がありません」とコメントした。「私は、この悲劇がどのようにして起こったのか、警察の捜査に全面的に協力しており、彼女の夫と連絡を取り、彼とその家族に支援を提供しています」としている。さらに、「彼女の夫、彼らの息子、そしてハリナを知り愛したすべての人のために、私は心を痛めています」と付け加えた。