第64回グラミー賞授賞式、ゼレンスキー大統領がビデオメッセージ

(2022年4月4日15:00)

米音楽界の最大の祭典、第64回グラミー賞授賞式が3日(日本時間4日)、米ネバダ州ラスベガスで開催され、シルク・ソニックの「Leave The Door Open」が年間最優秀レコード賞、同楽曲賞などを受賞した。授賞式ではウクライナのゼレンスキー大統領がビデオメッセージで登場しウクライナへの連帯とサポートを呼びかけた。

年間最優秀レコード賞などを受賞したシルク・ソニック(グラミー賞の公式インスタグラムから)

年間最優秀レコード賞はブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるデュオ、シルク・ソニックの「Leave The Door Open」が受賞した。シルク・ソニックは年間最優秀レコード賞、R&B楽曲賞など4部門で受賞した。
年間最優秀アルバム賞はジャン・バティステの「We Are」が受賞。バティステは音楽ビデオ賞も獲得した。
また注目の新人オリヴィア・ロドリゴは最優秀新人賞のほか最優秀ポップ・パフォーマンス(ソロ)(「drivers license」)、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム(「Sour」)を受賞した。
最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)はドージャ・キャットft.シザ(「Kiss Me More」)が受賞。「Butter」で昨年に続いて2年連続で同賞にノミネートされた韓国のグループ、BTSは今年も初受賞には届かなかった。

■ゼレンンスキー大統領がビデオメッセージ

第64回グラミー賞授賞式、ゼレンスキー大統領がビデオメッセージ
ビデオメッセージで登場したゼレンスキー大統領(WOWOW「生中継!第64回グラミー賞授賞式」から)

「廃墟となった都市や殺された人々の沈黙ほど音楽と対極的なものがあるでしょうか」「子供たちは流れ星ではなくロケットが降る絵を描いています。400人以上の子供たちが負傷し153人の子供たちが死亡しました。そして彼らが絵を描くのをもう二度と見ることはできないのです。私たちの両親は朝目覚めることができれば幸福です。防空壕の中で。生きているからです。私たちの愛する人たちは私たちが再び一緒になれるかわかりません。戦争は誰が生き残るのか、そして誰が永遠の沈黙のままでいるのかを我々に選ばせません。私たちのミュージシャンはタキシードの代わりに防弾チョッキを着ています。彼らは病院で負傷したひとたちに歌っています」とロシア軍の侵攻とウクライナの現状などについて語った。
そして「我々は自由を守ります。生きるために.音楽のために。我々の国では爆弾と共に恐ろしい沈黙を運んでくるロシアと戦っています。死の沈黙です。あなた方の音楽で静寂を満たして下さい。あなた方のソシアル・ネットワークやテレビでこの戦争の真実を伝えてください。どんな形でもいいので我々をサポートしてくだい。沈黙するのではなく。そうすれは平和が来るでしょう。戦争は我々のすべての都市に対して破壊的です。しかし、私には生きる夢があります。そして自由になること。あなたたちがグラミー賞のステージで自由であるようにです」と訴えた。

そしてジョン・レジェンドがウクライナの歌手や演奏者らとコラボして新曲「Free」を歌い、レコ―デイング・アカデミーは「#StandUpForUkraine」を呼びかけ救援金の寄付を募った。

■クラシック部門で日本人が参加した2作品が受賞

メゾソプラノ歌手の藤村実穂子さんが参加した「マーラー交響曲第8番『千人の交響曲』」が最優秀クラシック合唱賞を受賞した。またチェロ奏者の松本エルさんが参加したアルバムも最優秀クラシック・ソロ・ボーカル・アルバム賞を獲得した。