米連続殺人犯ダーマーのドラマとハロウィン仮装を被害者の母親が非難「家族を拷問にかける」

(2022年10月17日11:15)

米連続殺人犯ダーマーのドラマとハロウィン仮装を被害者の母親が非難「家族を拷問にかける」
ジェフリー・ダーマー

米連続殺人事件のジェフリー・ダーマーを題材にしたハロウィンのコスチュームや、Netflixのドラマ「ダーマー モンスター:ダーマーの物語」に対して、事件の被害者の母親が「家族を拷問するようなもの」と非難して波紋が広がっている。

米サイト「TMZ」によると、ダーマーに殺害された17人の青年のうち、聴覚障害の被害者だったトニー・ヒューズさんの母親シャーリーさんは「連続殺人犯に関するNetflixのシリーズを見ることはあまりにも刺激的で、ましてや殺人犯のような服を着ている人々は見るに堪えません」と訴えている。

ブロンドのウィッグ、レトロスタイルのトップス、ワイヤーリムのメガネなど、ジェフリー・ダーマーのコスチュームや小道具が米大手通販eBayなどのオンラインストアで売られ、ハロウィンを前に多くの人々が買っているという。

シャーリーさんは、Netflixとすべてのオンラインストアが息子の死で利益を得ることは苦痛であり、家族を拷問にかけるようなもの。犠牲者の家族は誰もドラマを見ていないと語る。彼女は、eBayのダーマ―関連グッズの広告をすべて削除するか、少なくともその利益を遺族に渡すべきだと考えているという。「ダーマーは純粋な悪であり、彼のような衣装を選ぶ人々がどうして夜眠れるのか理解できない」と言う。

米連続殺人犯ダーマーのドラマとハロウィン仮装を被害者の母親が非難「家族を拷問にかける」
Netflix「ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」でダーマーを演じたエヴァン・ピーターズ

人々がダーマーのような扮装をして楽しむ一方で、シャーリーさんにとっては痛みが消えることはないという。Netflixが大ヒットドラマ「ダーマ― モンスター:ダーマ―の物語」(9月21日から配信)を配信していなければ遺族は2次被害を受けずに済んだし、ダーマーのコスチューム販売もなかったとシャリーさんは語る。

■米連続殺人事件とジェフリー・ダーマー

1978年から1991年にかけて、主にオハイオ州やウィスコンシン州で17人の青少年を絞殺し、その後に屍姦、死体切断、人肉食を行った。その残虐行為が1990年代初頭の全米を震撼させた。またこの事件では、ミルウォーキー警察当局の捜査の問題や、人種的および性的少数者に対する偏見がジェフリーの凶行を許したとして非難された。1991年7月に逮捕され殺人罪・死体遺棄罪・死体損壊罪などで終身刑の判決を受けて服役。1994年11月28日、刑務所内で囚人に撲殺された。34歳だった。

■ジェフリー・ダーマーの映画やドラマ

ジェフリーの事件を題材にした映画は「Jeffrey Dahmer: The Secret Life」(1993年)、「Dahmer」(2002年)、「 Raising Jeffrey Dahmer」(2006年)、「My Friend Dahmer」(2017年)の4本が製作されている。日本では劇場公開されていないがビデオが発売された。
Netflixの「ダーマー モンスター:ダーマーの物語」は、ジェフリーの人生だけではなく、彼が起こした連続殺人事件を10年以上も見過ごすことになった当時のアメリカ社会の問題も描いている。エヴァン・ピーターズがダーマ―を演じた。