「ロミオとジュリエット」のオリヴィア・ハッセーらが映画会社を性的虐待で提訴 660億円の賠償請求

(2023年1 月6日20:45)

「ロミオとジュリエット」のオリヴィア・ハッセーらが映画会社を性的虐待で提訴 660億円の賠償請求
「ロミオとジュリエット」のハッセ―㊨とホワイティング(Instagram/@oliviahusseyeisley)

1968年の映画「ロミオとジュリエット」に主演した俳優レナード・ホワイティング(72)と女優のオリヴィア・ハッセー(71)が、意にそわないヌードシーンを撮影された性的虐待などで映画会社のパラマウント・ピクチャーズを相手取って米ロサンゼルス郡上級裁判所に提訴したことが分かった。5億ドル(約660億円)以上の損害賠償を請求しているという。米メディアが報じた。

米サイト「TooFab」によると、撮影当時15歳と16歳だったハッセーとホワイティングは、監督のフランコ・ゼフィレッリ(2019年死去)から「ヌードはない」と言われて出演したと主張している。

同作はロミオとジュリエットの悲恋を描いたシェイクスピアの古典的名作の映画化で、アカデミー賞の作品賞など4部門にノミネートされ撮影賞と衣装デザイン賞を受賞し、世界的にヒットした。2人は映画のヌードシーンについて誤解を与えたと主張し、パラマウント・ピクチャーズを児童の性的虐待と搾取の罪で訴えた。時効になった児童の性的虐待の訴えを特別に求める期限が切れる直前に提訴したという。2人は5億ドル(約660億円)以上の損害賠償を請求しているという。

被告側は、ゼフィレッリ監督が、2人にヌードシーンはないと保証したと主張。寝室のシーンでは下着を着ると言われていたと主張している。しかし、撮影が終わりに近づくと、ゼッフィレッリ監督は、全裸でボディメイクをしてそのシーンを演じるように要求し、やらなければ「作品は失敗する」と迫ったという。

2人のビジネスマネージャーのトニー・マリノッツィは、「彼らが聞かされたことと、実際に行われたことは別だった」と証言。「彼らはフランコは友人で信頼を裏切ることはないといっていた。率直に言って、10代の彼らはどうすればいいのでしょうか?選択肢はありません。#MeTooもなかった」と語っているという。

訴訟では、「被告は不誠実で、未成年者の裸や部分的な裸を彼らの知らないうちに密かに撮影し、当該児童の性的虐待と搾取を規制する州法と連邦法に違反した」と主張しているという。さらに、ハッセーとホワイティングは「極度の深刻な精神的苦痛と肉体的苦痛を受けたし、今後も受け続けるだろ」と述べているという。

「ロミオとジュリエット」のオリヴィア・ハッセーらが映画会社を性的虐待で提訴 660億円の賠償請求
オリビア・ハッセ―

一方で、「DEADLINE」はハッセーは2018年の時点ではヌードについて懸念を表明していなかったと指摘した。彼女は当時、回顧録のプロモーション中にFox Newsに対して、「それほど大きな問題ではなかった」と語ってたという。さらに、アメリカでは「タブー」だったかもしれないが、当時のヨーロッパ映画ではヌードが一般的だったと述べたという。 また「Variety」誌に、問題のシーンはセンス良く撮影され「私の年代では誰もやったことがない」が「映画には必要なことだった」と語っていたという。

「#MeToo」運動の活動家や他の同様の支援団体が2人を支援すると表明したといわれ、裁判がどう判断するのか評決の行方が注目されている。

ハッセ―は「ロミオとジュリエット」で人気女優になり、「サイコ4」(1990年)やマザー・テレサを演じた「マザー・テレサ」(2003年)、角川映画「復活の日」(1980年)などの数多くの映画やテレビドラマに出演している。私生活では1971年にディーン・マーチンの息子のディーン・ポール・マーティンと結婚して男児をもうけたが78年委離婚。カネボウ化粧品のCMに出演した時に、そのCMソングを歌った歌手の布施明と1980年に結婚して日本で大きな話題となった。男児をもうけたが1989年に離婚した。その後ヘビメタバンド、ジェフリアのデヴィッド・アイズリーと結婚して1993年に後に女優になったインディア・アイズリーをもうけた。