「ロミオとジュリエット」の660億円児童性的虐待訴訟 判事が請求棄却 オリヴィア・ハッセーら控訴へ

(2023年5 月27日11:15)

「ロミオとジュリエット」の660億円児童性的虐待訴訟  判事が請求棄却 オリビア・ハッセーら控訴へ
「ロミオとジュリエット」のハッセ―㊨とホワイティング(Instagram/@oliviahusseyeisley)

映画「ロミオとジュリエット」(1968年)に主演した俳優レナード・ホワイティング(72)と女優のオリヴィア・ハッセー(72)が、意にそわないヌードシーンを撮影されたとして児童性的虐待などで映画会社のパラマウント・ピクチャーズに5億ドル(約660億円)以上の損害賠償を請求して米ロサンゼルス郡上級裁判所に提訴した訴訟で25日(現地機関)、判事が原告の請求を棄却したことが分かった。オリヴィアらは控訴する方針。米メディアが報じた。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、ヒロインのジュリエットを演じたハッセーとロミオを演じたホワイティングは、未成年だった当時、フランコ・ゼフィレッリ監督kからベッドシーンでヌードを演じるよう強要されたと主張していた。2人は、パラマウント・ピクチャーズを性的搾取と児童のヌード画像の配布で、5億ドル以上の損害賠償を請求していた。

裁判所のアリソン・マッケンジー判事は、この請求棄却を主張したパラマウント社の申し立てを認めて原告側の請求を棄却した。映画「ロミオとジュリエット」は憲法修正第1条の下で保護されていると判断すると述べたという。

判事は、ヌードシーンが「児童ポルノ」とみなされる可能性があるという原告の氏の主張を退けた。また、2人の訴訟は、児童性的虐待訴訟の時効を一時的に解除する2020年のカリフォルニア州法に準拠していないと判断したという。パラマウント社は、言論の自由を損なう可能性のある訴していたという。

ハッセーとホワイティングの弁護士るソロモン・グレッセンは、この決定を不服として控訴する予定であると述べた。グレッセンは「私は怒っています。この国の女性に対する偏見は深刻だと思います。裸の子供の画像を撮るのは虐待だ。服を脱げというのは虐待です。それを配布してお金を稼ぐのは虐待です」と判決を非難したといと。

撮影の数日前に、監督は2人にボディメイクだけでベッドルームシーンを演じるよう促したとされ、同意しなければ「映画が失敗する」と脅されたという。ホワイティングは、「原告ハッセーと一緒にベッドの布団に入り、彼女の上に乗って、性交しているように振る舞った」と述べた。ハッセーも同様の証言をして「精神的苦痛を受け、仕事の機会を失った」と訴えた。これに対してパラマウント社は2人の発言を「完全に虚偽」と反論していた。第1審は原告側の敗訴に終わったが、第2ラウンドはどうなるのか、控訴審で判事がどう判断するか注目される。

「ロミオとジュリエット」の660億円児童性的虐待訴訟  判事が請求棄却 オリビア・ハッセーら控訴へ
オリヴィア・ハッセ―(Instagram/@oliviahusseyeisley)

ハッセ―は「ロミオとジュリエット」で人気女優になり映画「マザー・テレサ」(2003年)でマザー・テレサを演じた。私生活では1971年にディーン・マーチンの息子のディーン・ポール・マーティンと結婚して男児をもうけたが78年に離婚。カネボウ化粧品のCMに出演した時に、そのCMソングを歌った歌手の布施明と1980年に結婚して日本で大きな話題となった。男児をもうけたが1989年に離婚。その後ヘビメタバンド、ジェフリアのデヴィッド・アイズリーと結婚して1993年に後に女優になったインディア・アイズリーをもうけた。