アラン・ドロンさん死去 88歳 映画「太陽がいっぱい」など ”世紀の二枚目”で一世風靡

(2024年8月18日18:00)

アラン・ドロンさん死去 88歳 映画「太陽がいっぱい」など多数 ”世紀の二枚目”と呼ばれ一世を風靡
アラン・ドロンさん(Instagram/@alaindelonarchive)

映画「太陽がいっぱい」などで知られるフランスの俳優アラン・ドロンさんが死去した。88歳だった。

ドロンさんは2019年に脳卒中を発症して手術を受けスイスの病院で療養し、退院後はフランスのロワレ県ドゥシーの自宅で過ごしていた。18日に親族がドロンさんが自宅で死去したことを発表した。
今年2月には、自宅で所持許可のない拳銃72丁が発見されて押収されたことが報じられた。3000発以上の弾薬や射撃場も発見されたという。

ドロンさんは1935年11月8日生まれ。パリ郊外んセーヌ県ソー出身。1957年、ジャン=ポール・ベルモンドと共演した「女が事件にからむとき」でデビュー。コメディ映画「お嬢さん、お手やわらかに!」がフランスで大ヒット。

1960年、ルネ・クレマン監督のサスペンス映画の傑作「太陽がいっぱい」に主演。ローマを舞台に、アメリカから来た大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)を世話するうちに、財産を狙って洋上のヨットで2人きりの時に殺害してフィリップになりすまし、婚約者のマルジュ(マリー・ラフォレ)も奪う貧しく孤独な青年トム・リプリーを演じて、ニーノ・ロータの主題曲とともに映画は大ヒットしてドロンさんがフランスだけでなく世界的スターになるきっかけとなった。

その後、イタリア映画界の巨匠ルキノ・ヴィスコンティの「若者のすべて」(60)、「山猫」(63)に主演。ジャン・ギャバンと共演した「地下室のメロディー」(63)、一匹狼の殺し屋の孤独を演じて翳のある美貌が際立った「サムライ」(67)、ベルモンドと共演した「ボルサリーノ」(71)、ジャン=ピエール・メルヴィル監督のフィルム・ノアールの「仁義」(70)、三船敏郎、チャールズ・ブロンソンと共演した「レッド・サン」(71)、カトリーヌ・ドヌーヴと共演の「リスボン特急」(72)、凶悪犯と刑事の闘いを描いた「フリック・ストーリー」(75)など数多くの名作、ヒット作に主演してフランス映画を代表する俳優の一人として、また”世紀の二枚目”と呼ばれて一世を風靡した。2019年、第72回カンヌ国際映画祭で映画柄の長年の功績をたたえて名誉パルムドールを受賞した。

私生活では華麗なロマンス遍歴で知られた。ドイツ人のモデルで歌手のニコと交際して1962年に長男クリスティアンをもうけるが結婚はしていない。1959年、「恋ひとすじに」で共演した西ドイツの女優ロミ―・シュナイダーと交際し婚約したが1963年に破局した。1964年に女優のナタリー・ドロンと結婚して、後に俳優となったアントニー・ドロンをもうけるも1966年に離婚。その後は女優のミレーユ・ダルクと長い間交際するも結婚はしなかった。1987年にオランダ人・モデル、ロザリー・ブレーメンと交際して2子をもうけるが2002年に破局した。

ドロンさんは日本のファンも魅了し、映画のプロモーションなどで何度も来日している。映画「レッドサン」で共演した三船敏郎に招かれ、1977年4月に、三船プロ創立15周年記念パーティ―に出席したことがあった。12年ぶり5度目の来日だったが、羽田空港にファンが殺到し、羽田空港職員や機動隊が出動するなか裏口から脱出するなど大フィーバーになった。