ヒップホップ界の大物ショーン・コムズ被告に禁錮4年2月の実刑判決　売春に関与した罪

米ニューヨークのマンハッタン連邦地裁は3日（現地時間）、ヒップホップ界の大物で音楽プロデユ―サーのディディことショーン・コムズ被告（55）に対して売春に関与した罪で禁錮4年2月の実刑判決を下した。

米ニューヨーク・ポスト（電子版）などによると、判事は、「あなたは彼女たち（被害者）を肉体的にも、精神的にも、そして精神的にも虐待しました。なぜそんなに長く続いたのか？それは、あなたにはそれを続けるだけの権力と資金があり、そして捕まらなかったからです」とした上で、「国民をさらなる犯罪から守るためには、意味のある判決が必要」などとして、禁錮50か月（4年2月）、保護観察5年、罰金50万ドル（約7400万円）を言い渡した。

コムズは 2024年9月に性的人身売買、恐喝、売春の罪で逮捕、起訴された。検察は、コムズが性的人身売買と薬物を使った乱交パーティーに女性を強制的に参加させ、その模様を録画して口外しないよう脅迫したと指摘した。
裁判が行われ7月に陪審員は、マン法移送罪（売春目的で州境を越えて人を移送することを犯罪とする連邦法）に違反する2件の罪で有罪の評決を下した。より重罪である恐喝罪と性的人身売買の2件の罪については無罪となった。有罪評決を受けて、この日の判事による量刑の判決となった。

裁判で、被害者でコムズの元恋人の歌手キャシー・ベンチュラは4日間証言台に立ち、コムズが長年にわたり彼女を暴行し、男性セックスワーカーたちとの屈辱的な行為を何百回も強要したことを詳細に証言したという。コムズ被告はベンチュラが性的関係に同意していたとして無罪を主張していた。

コムズ被告は量刑言い渡しの前に、長文の声明を読み上げ、被害者のベンチュラと「ジェーン」として知られる女性に謝罪したが、裁判官に「もう一度チャンスを」と懇願し、自分は変わったなどと述べたという。

ニューヨーク・ポストは、検察が求刑していた10年以上の禁錮刑に比べれば半分以下の量刑で、コムズは逮捕されてからすでに1年2か月間獄中で過ごしており、3年後には自由の身になるかもしれないと指摘した。コムズをめぐっては、今回の事件の他にも多数の女性らがパーティーなどで薬物を使用した性的虐待を受けたと被害を訴えていると米メディアに報じられており、今後の動向が注目されている。