「天国でまた会おう」 サスペンス、反戦、友情、華麗なアートが詰まったフレンチ・エンターテインメント

(2019年3月15日)

  • 天国でまた会おう
  • 「天国でまた会おう」
    (日比谷シャンテ)
  • フランスのアカデミー賞といわれるセザール賞の監督賞、脚色賞、撮影賞、衣装デザイン賞、美術賞の5冠を獲得してフランスで大ヒットしたフランス映画。主人公が被る数々の仮面や1918年のパリの街並みや美術品などが斬新なデザインで目を見張る。ベストセラー小説「その少女アレックス」で知られるフランスの作家ピエール・メートルの小説で、日本でも「このミステリーがすごい!2015」海外部門1位になった「天国でまた会おう」が原作。

    1918年、ドイツとの泥沼の戦闘が続き兵士が疲弊する中、好戦派の上官プラデル中尉(ローラン・ラフィット)は休戦命令を無視して突撃を命じる。その戦闘の中で簿記係・アルベール(アルベール・デユポンテル)の命を救った主人公のエドゥアール(ナウエル・ベレーズ・ビズカヤート)は顔に重傷を負い、家族にも会いたくないアルベールに懇願して戦死したことにする。終戦後パリに戻ったエドゥアールは仮面をかぶって生活しアルベールと共同生活を始める。そこに不思議な少女ルイーズ(エロイーズ・バステール)も加わり平和な生活をしていた。そんななか元上官プラデルの意外なその後を知ったいた2人は壮大な詐欺計画企てる。

    エドゥアール役を「BPMビート・パー・ミニット」で、1990年代初頭にエイズへの偏見や無理解と闘う若者を演じて注目されたナウエル・ベレーズ・ビズカヤートが熱演している。相棒のアルベール役を監督も兼ねたアルベール・デユポンテルが個性豊かに演じている。サスペンス、反戦、華麗なアートが詰まったフレンチ・エンターテインメント作品だ。(3月1日公開)