「ダンボ」 空飛ぶ子象のファンタジーをティム・バートンが実写化

(2019年4月2日)

  • ダンボ/
  • 「ダンボ」(TOHOシネマズ新宿)

子象が大きな耳をばたつかせて空を飛ぶデズニーアニメの「ダンボ」を「アリス・イン・ワンダーランド」などで知られるハリウッドの奇才ティム・バートン監督が実写映画化したファンタジー。
マックス(ダニー・デビート)が率いるサーカス一座の象ジャンボが生んだ子象のダンボは耳が大きすぎて観客からバカにされていたが、団員のホルト(コリン・ファレル)の子供のミリー(ニコ・パーカー)と弟ジョー(フィンリー・ホビンス)はダンボが鳥の羽を吸い込むと空を飛べることを発見する。やがてサーカスで飛んで見せて空飛ぶダンボは大人気に。ダンボに目を付けた起業家のヴァンデバー(マイケル・キートン)はマックスを金にものをいわせて抱き込み、ダンボを空中ブランコのスター、コレット(エバ・グリーン)と組ませて金儲けをたくらむ。そしてじゃまになった母親のジャンボを引き離そうとして団員たちが対決するというストーリー。

両手がハサミの形をした男を主人公にした「シザーハンズ」や特殊能力を持つ子供たちが主役の「ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち」など、特異なキャラクターをテーマにした映画が得意なバートン監督にとってダンボはまさに監督の世界にはまる異形の子象だったといえそうだ。バカにされていた大きな耳を空を飛ぶことで賞賛の的になり逆境を乗り越えてゆくところがテーマになっている。そして母親象との親子の愛と絆が描かれる。さらには一連のバートン映画で見せた独特で斬新でシュールな美術も見どころだ。セットを組んだというサーカス小屋や、大規模なアミューズメント施設の造形も見ものだ。
米国では先週末の興行収入ランキングで初登場1位。日本では先週末の動員数が2位のヒットとなった。(2019年3月29日公開)