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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」 ブラピ&レオ初共演で1969年のハリウッドにタイムスリップ

(2019年8月31日)

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」 ブラピ&レオ初共演で1969年のハリウッドにタイムスリップ
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(TOHOシネマズ渋谷)

クエンティン・タランティーノ監督がブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオの2大スター初共演で1969年のハリウッドの舞台裏を描いた話題作。同年8月にカルト集団の狂信的リーダー、チャールズ・マンソンの信奉者によって惨殺されたハリウッド女優シャロン・テートをマーゴット・ロビーが演じているほか、アル・パチーノやブルース・ダ―ン、カート・ラッセルらがわきを固めている。

■ストーリー

かつてはテレビの西部劇などで活躍していたリック・ダルトン(ディカプリオ)だが、今はすっかり落ち目で、プロデュ―サーのマーヴィン・シュワーズ(アル・パチーノ)からイタリアのマカロニ・ウエスタン映画に主演する話を持ち掛けられる。ハリウッドスターのプライドが許さず断るが、セリフを忘れたり衰えを自覚して焦り落ち込んでいた。リックに雇われてスタントマン兼付き人として身のまわりの世話もしているクリフ・ブース(ピット)は、そんなリックを支え続けていた。そうしたなか、リックの隣に、ポーランド出身でハリウッドに進出して撮った「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)が大ヒットした鬼才ロマン・ポランスキー監督と妻の女優シャロン・テートが引っ越してくる。やがてリックはマカロニ・ウエスタンに出演することを決心して成功するが、リックとクリフにとんでもない事件が待ち受ける。

■見どころ

ディカプリオとブラピが演じる俳優とスタントマンのコンビは架空の人物だが、ロマン・ポランスキー監督(ラファエル・ザビエルチャ)やシャロン・テート、スティーブ・マックイーン、ブルース・リーなどが実名で登場する。ハリウッドのスターや関係者が集まった派手なパーティ―で踊りまくるシャロン・テートを見ながら、マックイーン役のダミアン・ルイスが雰囲気や口調そっくりにテートについて語るシーンや、米TVシリーズ「グリーン・ホーネット」に出演していたブルース・リーをマイク・モーがそっくりに演じて独特の奇声を発してカンフーアクションを見せたり、タランティーノ監督の当時のハリウッドへのオマージュを感じさせるシーンがふんだんに登場する。

また、クリフが街で拾ったヒッピーの少女に連れていかれるスパ―ン映画牧場は、西部劇の撮影用の牧場で、シャロン・テート惨殺事件を引き起こしたカルト集団のマンソン・ファミリーがそこで集団生活をしていたという。その不気味な集団生活や信奉者らの実態が描かれているのも興味深い。1969年を再現した建物やファッション、車、音楽、ヒッピー、テレビで放送されるドラマ、劇場で上映される映画などが再現され、ブラピとディカプリオが圧倒的な存在感を見せている。
(2019年8月30日公開)