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「マリッジ・ストーリー」 スカヨハとアダム・ドライヴァーが離婚する夫婦を熱演

(2020年1月5日)

スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライヴァーが離婚をめぐってお互いの主張をぶつけ合い裁判に発展してゆくドラマを描いたNetflixのオリジナル映画。監督は「イカとクジラ」(2005年)、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」(2014年)などで知られるノア・バームック。第77回ゴールデングローブ賞に作品賞(ドラマ部門)、アダム・ドライヴァーが主演男優賞(ドラマ部門)、スカーレット・ヨハンソンが主演女優賞(ドラマ部門)、助演女優賞にローラ・ダ―ン、脚本賞、音楽賞と最多6部門でノミネートされた話題作。

■ストーリー

ニューヨークの劇団の舞台演出家で脚本家のチャーリー(ドライヴァー)と女優のニコール(スカーレット)は、1人息子を愛し仲のいい夫婦だったが、ニコールは夫の劇団に従属するのを嫌って劇団を退団してテレビドラマに進出しロサンゼルスで仕事をするようになる。2人の気持ちがすれ違い関係が悪化してついには離婚することを決める。2人は円満な協議離婚を望んでいたが、ニコールがやりての女性弁護士ノラ(ローラ・ダ―ン)を雇ったことで離婚調停は泥沼化し、ついには裁判へと発展してしまう。

■見どころ

人気上昇中の女優と新進の舞台演出家で脚本家というハリウッドの夫婦が離婚するまでを追跡したドキュメント映画のようなリアルな内容で最後まで目が離せない展開が続く。お互いの仕事や結婚生活に対する思いを吐き出してぶつかり合う展開や、弁護士が介入してからの離婚協議での弁護士間の駆け引き。そして離婚裁判の描写などもリアルだ。2人が夫婦生活を続けるのはこんなだと感じさせると同時に結婚とは何なのかと考えさせられる。ニコールが弁護士のノラに延々と結婚生活の不満について涙を流しながら告白するシーンでは、スカーレットの女優としてのキャリアの集大成とも言えそうな熱演を見せている。2人が激しく口論するシーンがあるが、ヨハンソンとドライヴァーがお互いの感情をむき出しにしてぶつかり合うくだりも画面にくぎ付けになる。2人ともこれまでにないシリアスで迫真の演技を見せており、ゴールデングローブ賞やアカデミー賞の演技賞の有力候補になりそうだ。スカーレットは「真珠の耳飾りの女」(2003年)と「ロスト・イン・トランスレーション」(同)、「ママの遺したラブソング」(2004年)で過去3回ゴールデングローブ賞にノミネートされたが賞は逸している。”4度目の正直”が成るかも注目される。
(2019年11月29日から一部劇場で公開され、同12月6日からNetflixで配信中)