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「2人のローマ教皇」 2人のローマ教皇の歴史的対話がスクリーンに蘇る

(2020年1月5日)

「2人のローマ教皇」 2人のローマ教皇の歴史的対話がスクリーンに蘇る
「2人のローマ教皇 」(Netflixの公式サイトから)

2012年に当時のローマ教皇べネディクト16世と翌年教皇の座を受け継いだホルヘ・マリオ・べネディクト枢機卿(現在のフランシスコ教皇)の実際のやり取りから着想したNetflixのオリジナル映画。監督は「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」などで知られるフェルナンド・メイレレス。 第77回ゴールデングローブ賞に作品賞(ドラマ部門)、ジョナサン・プライスが主演男優賞(ドラマ部門)、アンソニー・ホプキンスが助演男優賞、脚本賞の4部門にノミネートされた。

■ストーリー

2012年、ベネディクト16世(アンソニー・ホプキンス)はコンクラーヴェ(教皇選出の選挙)で教皇に再選されるが、カソリック教会の方針に批判的なアルゼンチンの枢機卿ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(ジョナサン・プライス)はベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、ベネディクト教皇は拒否し、ベルゴリオをローマに呼び寄せて、教皇の座を引き継ぐよう要請する。厳格な保守派のベネディクト教皇と改革派のベルゴリオはことごとく意見が対立するが対話を重ねていくうちにお互いに友情と信頼関係が生まれていく。

■みどころ

煙突から白い煙が上がれば案教皇が決定したという合図で、決まらなければ黒い煙が上がり再投票になるというバチカン市国のバチカン宮殿内のシスティ―ナ礼拝堂で行われる有名なコンクラーヴェ(ローマ教皇を枢機卿による投票で選出する教皇選挙)の実態が描かれているのも興味深い。そこで選ばれたベネディクト16世が意見の異なるベルゴリオを次の後継者にと決めて、2人で対話するシーンは当時のカトリック教会が抱える問題や未来に向けた考えがぶつかり合う迫真の対話シーンになっている。2013年にベルゴリオはベネディクト16世の決断を受け入れて立候補して選出されてフランシスコ教皇として世界を飛び回っている。キリスト教徒でなくとも、歴史としてまた2人の教会トップの深い関係を知る人間ドラマになっている。
(2019年12月13日から一部劇場で公開され、同20日からNetflixdで配信中)