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ブラピ主演「ジョー・ブラックをよろしく」のとっておき情報

(2020年5月31日)

コロナ感染拡大による緊急事態宣言も解除されて映画館も再開されることが決まる中、映画評論家・荒木久文氏が、ブラッド・ピット主演の「ジョー・ブラックをよろしく」を取り上げ、ブラピの魅力やとっておきの情報を公開した。
トークの内容はFM Fuji「GOOD DAY」(火曜午後3時、5月26日放送)の映画コーナー「アラキンのムービーキャッチャー」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。また番組のなかで本サイト「PlusαToday(プラスアルファトゥデイ)」についても紹介していただきました。

ブラピ主演「ジョー・ブラックをよろしく」のとっておき情報
(映画トークで盛り上がった荒木氏㊧と鈴木氏)

鈴木   いきなりなんですけど、リスナーさんからメッセージをいただいてるのでご紹介して良いですか?

ラジオネーム「肉球」さんでございます。「まさか『スター誕生』が5作品あったなんて知らなかったー!勉強不足でした。5月12日の放送は永久保存版です。贅沢な時間でした。ありがとうございました。」というメッセージいただいております。

荒木   嬉しいですね。よかったよかった。
「肉球」さんからのお便りにもあったんですけど、このコーナー、radikoのタイムフリー機能で1週間以内なら聞けるということは皆さんご存じだと思います。実はこれに加えて、新たにコーナーの内容がいつでも文字で読めるという新企画がスタートしたんです。
ありていに言うと「アラキンのムービーキャッチャー読みもの」版。このコーナーのトーク内容を文字に起こして、それをWebにアップしたものです。スマートフォンやパソコンでいつでも読んでいただけるものですので、オンエアーを聞き逃してもタイムフリーを忘れちゃっても、前のものでもずっと残っているので大丈夫です。さっきいただいた「肉球」さんのお便りの回もありますし、「肉球」さんの名前もちゃんと載っています!
我々の写真も出てますね。「PlusαToday(プラスアルファトゥデイ)」というサイトです。

鈴木   デザイン的にもすっきりしていて読みやすいですよね。

荒木   そうですよね。載っている写真は小汚いですけど(笑)。全体のデザインはすっきりしてますね。
このサイトは海外セレブのホットな情報や映画情報、芸能ニュースをはじめ、国内外の政治・経済・国際ニュース、特集記事、コラムなどを独自な視点、つまり「Plusα(プラスアルファ)する視点」で届けてゆくWebマガジンです。まだ新しいWebマガジンなのですが、早くて正確な情報とユニークな視点ということもあり、どんどん登録者が伸びているようです。いつでも無料で読めるサイトなので、是非一度見ていただきたいですね。 もちろんライブで聞いていただくのが一番ですけど、文字で読んだりするとまた新しい発見なんかを見つけられるかもしれません。
「プラスアルファトゥデイ」というラジオWebマガジンのお知らせでした。

鈴木   番組のホームページにリンクが張ってありますのでぜひ一度アクセスしてみて下さい。

荒木   ということで、昨日ようやく東京・神奈川などで緊急事態宣言が解除されまして・・・山梨は一足先に明けてましたが、皆さん恐る恐るという感じですが活動が始まったようですね。
映画ファンの皆さんも映画からずーっと遠ざかっていたので、早く映画が観たいと思っていらっしゃるでしょうね。「緊急事態宣言が解除されたら何をしたい?」というアンケートで、4位ぐらいに映画を観たいというのは入っているんです。

鈴木   やっぱりそうなんですねぇ。

荒木   そうなんですよ。
ひとまず落ち着いた今日この頃、今後どうなるのかということをちょっとお話ししてみたいと思います。
現状としては3月から今まで、公開延期されている映画がざっと数えてその数200本弱あるんです。
公開予定だった新作がウェイティングしていて、6月から順次3、4、5月公開予定の作品が公開されていくわけですが、一度に公開されるわけではないのでスクリーンの奪い合いにはならないので。
というのも今撮影のほうも完全にストップしているので、来年のお正月や春休みシーズンが空いている状態なんです。だから順送りで後ろにずれていくというわけです。ただ、カットになって公開されない映画も多少あるみたいですね。また、洋画の中には劇場公開されずにNetflixなどの動画配信に直接行ってしまう作品もあるので、私も紹介していきますが、色んな情報誌で確認したりなど映画ファンの方は注意してください。

4月公開予定だった「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」は11月20日に公開されますし、「ブラック・ウィドウ」は11月6日に日本公開、 「ワイルドスピード/ジェットブレイク」や「ミニオンズ フィーバー」などは来年に回るでしょう。

鈴木   うーん、楽しみが先送りですね。

荒木   ただ、劇場はたくさん観客が来ても(ウイルス感染防止のため)満員にはできません。どんなに入れても半分が精一杯ですね。しばらくこういう状態が続くのではないかと考えられますのでその辺りも注意してください。

さて、ずっと続けている番組のリスナーさんからお好きな映画をいただいて取り上げていく企画ですが、今週は笛吹市の「匿名希望」さんからです。
ブラッド・ピットの「ジョー・ブラックをよろしく」ですね。
「この映画でブラッド・ピットのファンになり、以来ずーっと欠かさず映画を観ております。ピーナッツバター好きの彼がかわいくてメロメロですが、映画的にはどうなのか聞きたいです。」ということです。

鈴木   たぶんリスナーの方で同じような意見、荒木さんに対してあるなと思うんです。例えばその役者さんがスターとしては好きなんだけど、映画的にはその映画はどうなんですか?ということを知りたい人多いと思いますよ。

荒木   そうですね。最後に僕の意見も含めて話したいと思います。
「ジョー・ブラックをよろしく」(原題はMeet Joe Black)は、1998年のアメリカ映画。 ブラッド・ピットが人間の女性に恋をする死神に扮したロマンチック・ファンタジーです。 大金持ちの実業家ビル・パリッシュという人物をあの名優アンソニー・ホプキンスが演じています。ビルが住む大きな屋敷に突然若い男性客(ブラッド・ピット)がやってきます。彼は、実はビルを死の世界に迎えに来た死神で、ついでにビルを案内人にして人間の世界を見学しに来たという設定です。ビルは家族に彼はジョー・ブラックという名前だと紹介します。ビルの娘のスーザンはジョーの姿を一目見るなりびっくり仰天します。なんとジョーはその日の朝、スーザンとコーヒーショップで知り合い、意気投合した青年だったんです。その青年はスーザンと知り合った直ぐ後、交通事故で死んでしまうのですが彼女はそんなことは知りません。死神は死んだその青年の肉体を借りてこの世界に降りてきたのです。
ジョーとスーザンは次第に愛し合い始めます。人間の愛を知ったジョーは彼女をあの世に連れて行きたいと葛藤し苦しみますが、苦悩の末ジョーはビルとこの世を後にします。そして…といったあらすじですが、ダイちゃん観ててどうでしたか?面白かったですかね?

鈴木   面白かったですね。ダークファンタジーとまでは言わないんですけど。

アラキンのムービーキャッチャー/ブラピ主演「ジョー・ブラックをよろしく」のとっておき情報
(「ジョー・ブラックをよろしく」=インスタグラムから)

荒木   そうですね。死神も出てきますからね。
監督はマーティン・ブレストという「ビバリーヒルズコップ」なんかの監督ですよね。 現在57歳のブラッド・ピットについては今更ご紹介することもないと思うのですが、この時ブラッド・ピットは35歳で結構いい年だったんですが、とてもそうは見えません。男の私から見てもキラキラでかっこいいです。女性から見たらもう全てに惹きつけられるでしょうね。元々ブラピはデビューも遅いし、遅咲きの俳優さんなんですよ。メジャーになったきかっけが1992年、31歳くらいのときですね。

この映画ではカフェでの好青年と死神の二役を演じ分けていますし、色んな初々しさがよく出ています。キスをして感動の涙を一筋流すところや、キッチンでピーナッツ・バターを無邪気な顏で舐めるシーンなど有名ですね。
共演はあの名優中の名優、アンソニー・ホプキンス。「ハンニバル」の。ブラピのお相手スーザン役の女優さんは、クレア・フォーラニーという方。今はほぼ引退状態みたいですが、当時26歳できれいで品のある女優さんでした。彼女はなかなかやり手というか恋多き女で、この作品で共演したブラッド・ピットをはじめ、ベニチオ・デル・トロ、ジョン・キューザック、ベン・スティラーと交際していたそうです。

私も見直しましたが長―い映画です。3時間。そのおかげで出演者たちの奥行ある人物描写が本当によくできています。贅沢に時間を使っています。日本映画にあるようにゆっくり話が進む感じですね。
ジョー・ブラックという名前についてですが、ビルが家族に紹介するときに咄嗟につけた名前です。ジョーという名前はアメリカなどでは非常に一般的な男性名で、日本だと「イチロー」とか「タロー」ですね。また、名前を知らない男性に対して呼び掛けで使うらしいです。お店とかで「Hey, joe please」と言うと「ちょっとコーヒーくれよ、兄ちゃん」という感じです。つまりビルは咄嗟にどこにでもいる普通の男の名前を思いついたんです。
すると、家族からジョーのfamily name(姓)を尋ねられて、彼は20秒くらい「うーん」と黙ってブラックと名乗ります。死神だから「Black(ブラック=黒)」を思いついたんでしょうね。ジョー・スミスだと日本で言う鈴木一郎みたいになっちゃいますからね。 調べてみたんですけど、ブラックというのはアメリカで150位ぐらいのファミリーネームなんです。

鈴木   そこそこいるような、いないような、いるような。

荒木   日本だと150位は大久保さんなので、大久保一郎となりますがおかしくはないですね。本当にいるようないないような名前です。因みに荒木は日本だと154位だから荒木一郎でも大丈夫ですね。

鈴木   わたくし鈴木は2番目か3番目かですよ。

荒木   そうですよね。(150番目は)ちょっと珍しいかもくらいですよね。
それからこの作品では色んな格言がいいタイミングで出てくるのが特徴的です。見直してわかりました。
「稲妻に打たれるのを待ちなさい」や「死と税金はだれも免れない」、「去りがたい、それが人生だ」など。
それぞれがキーワードになっていて使われ方がとても生きてくるんです。本当におしゃれなので、この辺りも注意して観てみると面白いです。

リクエストをいただいた「匿名希望」さんからは「映画的にはどうなのか聞きたい」とありましたが、実はこの映画、公開当時は映画自体の評価も賛否両論だったんです。
ブラピの演技は「彼が死と永遠の謎の全てを知っている死神の設定だとは納得させられなかった」という声が多く、有名な映画評論家のロジャー・イーバートは「ブラット・ピットは素晴らしい俳優だが、この演技は誤算だ」と評すなど、ピットの演技に対して否定的な意見が寄せられることもありましたが、僕としては可哀想だなと思います。アンソニー・ホプキンスというスターとがっぷり四つに組まされているわけですから。二人で喋ることも多いうえ演じ分けなければいけないですし、(ホプキンスは)あのキャリアの俳優ですから、(ピットとしては)どうしてもぎくしゃくすることもあると思います。
わたしはよくやっていたと思いますよ。映画の評価は時代によっても変わってきますが、どちらにしてもブラピのもっとも美しい時期を切り取った作品でしょうね。35歳で少年でも大人でもないという、笑顔なんかキラキラしてますから。単純にそう観てもいいんじゃないかな?と思います。

鈴木   僕、ブラット・ピットって「リバー・ランズ・スルー・イット」で、ロバート・レッドフォードの生き写しだなと思うくらいに似てたなと…。 荒木   似てましたよね。1992年ですね。

鈴木   あれを観て、とにかく懐かしい映画スターのようでありながら新しい時代も感じました。

荒木   そうですね。メジャーになったきっかけですよね。

鈴木   好きだったなぁ、あの映画。

荒木   今や色んな役ができる俳優さんになりましたね。これからも楽しみですね。 ということで、今日は笛吹市の「匿名希望」さんからの「ジョー・ブラックをよろしく」の紹介でした。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。

■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。FM Fuji『GOOD DAY』(火曜午前10時)のパーソナリティなどに出演中。