「ビルド・ア・ガール」ビーニー・フェルドスタインがUKに乗り込んで大暴れ

(2021年10月21日21:55)

「ビルド・ア・ガール」ビーニー・フェルドスタインがUKに乗り込んで大暴れ
「ビルド・ア・ガール」(10/22(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー) (©Monumental Pictures, Tango Prodactions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019)(配給:ポニーキャニオン、フラッグ)

「ブックスマート 卒業前のパーティ―デビュー」(2019年)で抱腹絶倒の演技を見せた米女優ビーニー・フェルドスタインがイギリスに乗り込んで、ロックの本場で辛辣な音楽ライターとして型破りの活躍をする青春エンパワーメント映画。主人公のジョアンナ・モリガンにビーニーのほか、ジョアンナの父親パットにパディ・コンシダイン、ジョアンナが恋をするロックスターのジョンに人気ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローン」のシオン・グレイジョイ役で注目を集めたアルフィー・アレン、主人公の運命を左右する重要な役どころでオスカー女優のエマ・トンプソンなどのキャスト。
原作はキャトリン・モランの半自伝的小説「How to Build a Girl」で、脚本をモランが担当した。監督は今作が初の長編映画となるイギリスのドラマ・映画監督のコーキー・ギェドロイツ。2017 年の Hulu ドラマ「Harlots/ハーロッツ 快楽の代償」がイギリスで大ヒットした。ナオミ・ワッツとビリー・クラダップが共演した Netflix ドラマ「ジプシー」(2017年)、Netflix ドラマ「運命 の 7 秒」(2018年)などを監督している

■ストーリー

1993年、イギリスの郊外ウルヴァ―ハンプトンで家族7人で暮らすジョアンナ(ビーニー・フェルドスタイン)は、想像力と文才にたけた16歳の多感な高校生だが、学校では冴えない子扱いで恋人もできず悶々とした毎日を送っていた。そんな生活を変えようと決心して単身ロンドンに乗り込んで、大手音楽情報誌「D&ME」の編集部を訪れライターに応募する。珍しがられて仕事をもらうが、取材で出会ったロックスターのジョン(アルフィー・アレン)に恋をしてしまい冷静な記事を書けず失敗する。そこで髪を赤く染めて奇抜でセクシーなファッションで変身し毒舌批評を書く”ドリー・ワイルド”として売り出して大成功するが、次第に自分を見失っていく…。

■見どころ

ビーニー・フェルドスタインが体当たりで音楽雑誌のライターに挑戦し、ロックスターに恋をしてライターとして挫折したり、奇抜なファッションで毒舌ライターになってロックミュージシャンをこき下ろしたり、自らの力で未来を切り開いていくヒロインをチャーミングに、また時には暴走して笑わせたり表情豊かに熱演している。
オアシス、ブラー、プライマル・スクリーム、ハッピー・マンデーズやマニック・ストリート・プリーチャーズといった人気バンドが旋風を巻き起こした 90年代前半の UK ロックシーンが舞台になっているのも見どころになっている。原作の小説「How to Build a Girl」は著者のキャトリン・モランが 16歳の時、「メロディ・メイカー」誌でジャーナリストとしてのキャリアを始めた 際の実話がベースになっているというだけあって当時のUKの音楽業界の描写や当時のロック・ジャーナリズム業界の舞台裏も描かれていて興味深い。劇中ではマニック・ストリート・プリーチャーズが、バーミンガムの会場で名曲「YOU LOVE US」を演奏。ビキニ・キルの「REBEL GIRL」やプライマル・スクリームの「MOVIN’ ON UP」など 90 年代ロックの名曲が登場する。
(2021年10月22日公開)