「フォーエバー・パージ」”パージ法“が無期限になる壮絶サバイバル・アクション

(2022年5月19日20:30)

「フォーエバー・パージ」”パージ法“が無期限になる壮絶サバイバル・アクション
「フォーエバー・パージ」(©2021 UNIVERSAL STUDIOS)

米国で1年に1晩だけ殺人を含むあらゆる犯罪が合法になるという”パージ法“なるものが施行され、人種差別主義者の暴徒が大量虐殺を繰り返して市民らが極限状態に追い込まれる姿を描くサバイバル・アクション映画。「パージ」(2013年)、「パージ:アナーキー」(2014年)、「パージ:大統領令」(2016年)、「パージ:エクスペリメント」(2018年)の前4作の累計世界興行収入が500億円を超える「パージ」シリーズの最新作で、パージ法のタイムリミットが破られて”無限パージ“に突入する中、主人公らが決死の脱出作戦を展開する。
「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ監督と「ゲット・アウト」、「透明人間」のジェイソン・ブラムが製作を務め、「パージ」の監督を務めたジェームズ・デモナコが脚本を担当。メキシコアカデミー賞を受賞した「クライム・シティ」で脚本・監督を務めたエヴァラルド・ヴァレリオ・ゴウトが監督に抜擢された。主演はザック・スナイダー監督の「アーミー・オブ・ザ・デッド」(2021年)などに出演しているメキシコ出身の女優アナ・デ・ラ・レゲラのほか、テノッチ・ウエルタ、キャシディ・フリーマン、レヴェン・ランビン、アレハンドロ・エッダ、ジョシュ・ルーカス、ウイル・パットンなどのキャスト。
アメリカ/103分/R-15 /配給パルコ ユニバーサル映画

「フォーエバー・パージ」”パージ法“が無期限になる壮絶サバイバル・アクション
「フォーエバー・パージ」(©2021 UNIVERSAL STUDIOS)

■ストーリーbr>
移民の増加が深刻な社会問題になった米国で、政府は対策として12時間だけ殺人を含むすべての犯罪が合法になる”パージ法“を復活させる。牧場を経営するディラン・タッカー(ジョシュ・ルーカス)ら一家に雇われていたメキシコからの移民夫婦アデラ(アナ・デ・ラ・レゲラ)とホアン(テノッチ・ウエルタ)は、人種差別主義者の過激派組織が銃を乱射し暴れるなか、シェルターでほかの移民らと一夜を過ごす。夜が明けパージの時間が終了して安堵するホアンとアデラだったが、過激派が暴走。パージは終わっていないと主張し、ディラン一家を庭に並べて、一家の長ケイレブ・タッカー(ウイル・パットン)を射殺する。そこに駆け付けたホアンは仲間と暴徒に応戦して、ディランや妊婦の妻キャシー(キャシディ・フリーマン)やハーパー・ハッカー(レヴェン・ランビン)らとともに頑丈なトレーラーで安全な場所を探して牧場から出るが、町は終わりのない”無限パージ”に突入し、アメリカ全土は無法地帯と化していた。メキシコ政府が米国からの”難民“を助けるために6時間国境を開放すると宣言し、タッカー一家とホアン夫妻らは、過激派の襲撃を受けながらメキシコの国境を目指して決死の脱出を図る。

「フォーエバー・パージ」”パージ法“が無期限になる壮絶サバイバル・アクション
「フォーエバー・パージ」(©2021 UNIVERSAL STUDIOS)

■見どころ

19時から翌朝7時までの12時間だけ殺人を含むすべての犯罪が合法になる”パージ法“が施行されるという発想が奇抜でユニークだが、人種差別主義者の過激組織がメキシコからの移民や黒人を合法的に殺戮するというストーリーは、アメリカが抱える移民増大の問題が背景にあり、人種差別問題や移民排斥などの社会問題に重なる。そして、メキシコからの移民夫婦が白人一家の牧場で働く日常や、牧場一家のディランとホアンの反目などの様子が丁寧に描かれていることから、その後のパージ法による無法地帯の出現や移民夫婦たちの戦いにリアリティをもたらし、緊迫感溢れる展開が続く。仮面をかぶり武装した過激派が移民や黒人だけでなく市民や警官まで殺戮を繰り返し、その集団の襲撃に応戦するメキシコ国境を目指す一家とメキシコ人夫婦の闘いは壮絶で最後まで目が離せない。無法地帯と化すなかでの究極のサバイバル・アクションは圧巻だ。
(2022年5月20日(金)TOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開)