「ランディ・ローズ」25歳で早逝した天才ギタリストの栄光と哀しみの物語

(2022年10月3日21:00)

「ランディ・ローズ」25歳で早逝した天才ギタリストの栄光と哀しみの物語
「ランディ・ローズ」(©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022)

クワイエット・ライオットとオジー・オズボーンのバンドの初代ギタリストで1982年3月19日、飛行機事故で25歳の若さで早逝し、今年没後40年を迎えたランディ・ローズのドキュメンタリー「ランディ・ローズ」が、11月11日より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほかで全国ロードショーになる。

1980年代、端正なルックスと華麗なギタープレイで世界を魅了した天才ギタリスト、ランディ・ローズ。1975年、自身のバンド、クワイエット・ライオットを結成したが、1978年、CBSソニー(現ソニー・ミュージックレコーズ)から「静かなる暴動」で日本デビューしたが、全米デビューは果たせなかった。その後、オジー・オズボーン・バンドに抜擢され“闇の帝王”オジーと“天使”ランディの相反する個性のぶつかり合いは、極上の化学反応を巻き起こす。刺激的でキャッチ―なギターリフは時にオジーのヴォーカル以上に耳に記憶され、哀愁を帯びたギターソロは聴く者の心を鷲掴みにし、一気にギターヒーローとなった。しかし、人気絶頂期の全米ツアー中に起きた、突然の悲劇…。1982年3月19日、遊覧飛行で乗った軽飛行機の墜落事事故により25歳で生涯を閉じた。同作は一人のギター少年がロックスターになる瞬間、そして悲劇的な最期までを克明に捉えたドキュメンタリーになっている。

監督はアメリカの伝説的HIP HOPグループN.W.Aの真実を暴くドキュメンタリー「N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン」などを手掛けたアンドレ・レリス。脚本と編集をマイケル・ブルーイニング、ナレーションをL.A.ガンズのトレイシー・ガンズが担当し、クワイエット・ライオット時代の貴重ライブ映像や肉声インタビュー、プライベートショットをフィーチャー。さらに、オジー・オズボーンや、同時代にデビューし、共にギターヒーローへと昇華したエディ・ヴァン・ヘイレン、ランディを敬愛するミュージシャンやギター・テック、ランディの母や兄弟などの貴重なインタビューも多数収録されている。

「ランディ・ローズ」25歳で早逝した天才ギタリストの栄光と哀しみの物語
「ランディ・ローズ」(©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022)

さらにはローズの発言から人柄と魅力を浮き彫りにしている。
「7歳の頃は 深く考えずただ弾いていただけ。当時のギターは古いスパニッシュだ。何でも弾いたよ。“グロリア”や“ルイルイ”や、ラジオで聴いた曲とか」と話すランディは、母親が経営していた音楽学校の影響を受け、6歳からギターを始め、フォーク・ギターのレッスンでコードや旋律を学んだという。ランディを9カ月間指導した教師に「自分にはこれ以上教えられない」と言わせるほどの腕前だったという。「母はいつも僕を励まし、僕の才能を信じてくれていた。僕に仕事を与え、機材を揃えてくれた」と、母親への感謝を忘れない孝行息子でもあった。ギタープレイと人間性は別だと理解し、傲慢な姿を見せなかったランディは、「誰に影響を受けたかとよく聞かれるが、ギター歴が長ければ変わっていく。気に入れば何でも聴く。だけど音楽的な好みとしては、マウンテンやレスリー・ウェストだ。ハーモニクスやサステインが見事だね。昔からギタリストなら誰でも好きだけど、一番はいない」と語っている。
ランディにとって大きな転機をもたらしたオジー・オズボーンについては「正直(ブラック・サバスの)大ファンとは言えない。だが実績は間違いなくすごいよ。尊敬してる」と話し、さらにオジー・オズボーン・バンドのメンバーとして世界中をツアーで回ることについて「オジーと一緒に壮大なステージに立つ。言葉にならないよ。地元で活動していたら、突然、大舞台へ飛躍した」と述べオジーへの感謝の気持ちを常に忘れなかった。一躍有名になった後も、「正直な話、ギターの練習を再開したいと思ってる。レッスンも受けたい。イギリスではクラシックを習った。休暇があれば通って、技術を磨きたい」と語っている。

「ランディ・ローズ」25歳で早逝した天才ギタリストの栄光と哀しみの物語
「ランディ・ローズ」(©RANDY RHOADS: LEGEND, LLC 2022)

ランディの人懐っこくていたずら好きだという人柄が伝わってくるオフショットの場面写真もこのほど公開された。横顔がスヌーピーに似ていることから、あだ名が”スヌーピー”だったランディ。本人もこのあだ名を気に入っていたといい、スヌーピーのぬいぐるみと一緒に映っている写真など、リラックスした表情が多く切り取られ、ランディの素顔が垣間見える写真となっている。
2022年/アメリカ/英語/カラー/92分/原題:RANDY RHOADS:Reflections of A Guitar Icon/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム/後援:文化放送 (11月11日(金)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー)