島田隆一監督のドキュメンタリー映画「二十歳の息子」のメインビジュアルなど公開

(2022年12 月3日13:30)

「ドコニモイケナイ」(2012年)で第 53 回日本映画監督協会新人賞を受賞した島田隆一監督のドキュメンタリー映画「二十歳の息子」が 2023 年2月よりポレポレ東中野で公開されることが決まり、メインビジュアル、場面写真、島田隆一監督のコメントが公開された。

島田隆一監督のドキュメンタリー映画「二十歳の息子」のメインビジュアルなど公開
「二十歳の息子」のメインビジュアル(©JyaJya Film)

同作は「父親」になったゲイの男性と、実親を知らない二十歳の息子という少し不思議な、普通と違った「家族」の生活を通して、血縁でない家族や人と人との関係など、価値観が多様化する今改めて問い直すドキュメンタリー。

ドリフターズの仲本工事、車にはねられ重傷 横浜市の信号機のない歩道
「二十歳の息子」のメインビジュアル(©JyaJya Film)

児童養護施設の子どもたちの自立支援団体「ブリッジフォースマイル」で働く網谷勇気(40)は、働き始めて2年目に、高校在学中からこの団体のプログラムを利用していた渉(わたる)と知り合う。幼少期より児童養護施設に預けられ、両親の顔も知らずに育った渉は、在籍していた児童養護施設から団体を繋げてもらい網谷と出会ったのだった。
高校を卒業しても二人の関係は続いていたが、渉が二十歳になった頃にある事件を起こし、起訴される事態となってしまう。網谷は、団体の職員として関わることに限界を感じ、彼の生活を立て直す手段として、養子縁組を提案する。自身がゲイである網谷は、それまで家族をつくることを特に望んではいなかった。親を知らない経歴に加えて、多感な年頃でもある「二十歳の息子」の父親になった網谷。照れ臭さと緊張をにじませながら、2 人の新生活が始まるという内容。

ドリフターズの仲本工事、車にはねられ重傷 横浜市の信号機のない歩道
「二十歳の息子」のメインビジュアル(©JyaJya Film)



監督は、ゼロ年代に生きる若者の夢と挫折を描いたデビュー作「ドコニモイケナイ」(2012年)で第 53 回日本映画監督協会新人賞を受賞し、福島県広野町を舞台に震災の復興とは何かを問いかけた「春を告げる町」(2019年)の島田隆一。新たに始まった共同生活を 1 年にわたり記録した島田は、そこに生じるぎこちなさや軋轢、そして静かな心の交流を、丁寧にカメラに映しとった。それぞれに普通の家庭や人生を選択してこなかった、またできなかった歳の離れた 2 人の男性がゼロから新たな関係性を作る。それは 2 人の「生きなおし」の旅でもある。いわゆる普通の家族や親子の枠を超えて、人が人とどう繋がりをもつことができるのか。そんな困難な問いを、本作はしなやかに捉える。

なお、本作は本公開に先駆けて 12 月 3 日(土)よりポレポレ東中野にて開催される島田隆一監督「ドコニモイケナイ」の10 周年記念上映の中でも特別先行上映される。上映時には島田隆一監督に加えて本作の主人公である網谷勇気さん、作家の鈴木みのりさんらも登壇する予定。

「二十歳の息子」2022 年/日本/86 分/カラー/ドキュメンタリー/ 監督:島田隆一 撮影:林賢二/前田大和 編集:遠山慎二 整音:川上拓也 音楽:河北聖子 製作:JyaJya Films 配給:ブライトホース・フィルム/文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業 © JyaJya Films 公式 HP:hatachi.brighthorse-film.com