カンヌ国際映画祭で女優賞受賞の「聖地には蜘蛛が巣を張る」4月14日公開

(2023年1月28日17:45)

カンヌ国際映画祭で女優賞受賞の「聖地には蜘蛛が巣を張る」4月14日公開
「聖地には蜘蛛が巣を張る」(©Profile Pictures / One Two Films)

第 75 回カンヌ国際映画祭でザーラ・アミール・エブラヒミが女優賞を受賞した「聖地には蜘蛛が巣を張る」(原題:Holy Spider)が4月14日から公開されることが決まった。

イランの聖地マシャドで 2000年から2001 年にかけて16 人もの犠牲者を出した“スパイダー・キラー”と呼ばれたサイード・ハナイによる娼婦連続殺人事件に基づき描かれた本作は、命がけで事件を追う女性ジャーナリストを熱演したザーラ・アミール・エブラヒミが2022 年の第 75 回カンヌ国際映画祭の女優賞、セビリア・ヨーロピアン映画祭主演女優賞を受賞。ストックホルム映画祭で作品賞、主演男優賞を受賞した。

監督を務めたのは、第 71 回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した「ボーダー 二つの世界」(18)で映画界の注目を集めた、イラン出身でデンマーク、スウェーデンで活躍する鬼才アリ・アッバシ。同作は本年度アカデミー賞国際長編映画部門のデンマーク代表に選出された。

主演の女性ジャーナリストを演じたザーラ・アミール・エブラヒミは、イランで女優として活躍していたが、2008 年にフランスへ亡命。その後フランスの映像業界で活躍し、2017 年フランス国籍を取得して意欲的に映画に出演している。演技力が高く評価された本作では、主演のみならず、キャスティング・ディレクター、アシスタント・プロ デューサーも兼任している。
同作は海外での映画評でも「鋭く、不穏、そして、心奪われる」(Observer)、「信じられないほど恐ろしい」(Toronto Star)、「ぞっとする」(Daily Telegraph (UK))などと評価は高く、注目の一作が日本公開となる。

■【STORY】
2001年、イラン。女性ジャーナリストのラヒミは、聖地マシュハドを震撼させている娼婦連続殺人事件を追うために現地に赴く。犠牲者が増え続けるなか、なぜか警察は捜査に消極的だった。性差別がまかり通る社会で、ラヒミは不条理な 圧力と身の危険を感じながら、真相の追求にのめり込んでいく。そして遂に犯人にたどり着くが、意外にもその男は敬虔で家庭的な男だった。「社会の浄化」と信じて犯行を重ねていたその男・サイードは、熱狂的な一部の市民から英雄視されていくー。

2022 年/デンマーク、ドイツ、スウェーデン、フランス/原題:Holy Spider/ペルシャ語/118 分/映倫:R-15/デンマーク王国大使館後援/配給:ギャガ
(4 月14日(金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズシャンテ他全国順次公開)