英アカデミー賞 「aftersun/アフターサン」のシャーロット・ウェルズ監督が英国新人賞受賞

(2023年2月20日13:15)

英アカデミー賞 「aftersun/アフターサン」のシャーロット・ウェルズ監督が英国新人賞受賞
シャーロット・ウェルズ監督

「aftersun/アフターサン」(5月26日、日本公開)で長編監督デビューを飾ったシャーロット・ウェルズ監督(35)が19日(現地時間)に開催された第76回英国アカデミー賞授賞式で、傑出したデビュー作の監督などを表彰する「英国新人賞」を受賞した。主要部門ではドイツ映画の「西部戦線異状なし」が作品賞、監督賞(エドワード・ベルガー)、脚色賞、非英語作品賞など最多7部門で受賞した。

「aftersun/アフターサン」の脚本・監督を務め、鮮やかなデビューを飾ったのは、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。若き父親と娘のひと夏のかけがえのない記憶を辿る物語は、よく兄妹に間違えられたという自身と父が過ごした実際の夏休みの思い出がベースとなっている。

第89回アカデミー賞の作品賞など3部門で受賞した「ムーンライト」(2017年)のバリー・ジェンキンスらプロデューサー陣が彼女の脚本に惚れこみ、2017年から構想を練り上げ完成した同作は、話題作を次々と手掛けるA24が北米配給権を獲得。様々な海外メディアで「ベストムービー」に選出され、昨年を代表する1本となった。5月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほかにて全国公開される。

英アカデミー賞 「aftersun/アフターサン」のシャーロット・ウェルズ監督が英国新人賞受賞
「aftersun/アフターサン」(© Turkish Riviera Run Club Limited, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute & Tango 2022)



父親役を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされているポール・メスカルは、「一気に脚本を読んで、すぐに『よし、何がなんでもこの役を手に入れるぞ』と思った」といい、「彼女は自分の脚本とまわりの人たちの仕事を全面的に信用して、一からサポートしてくれるんだ。」と語っている。

英国アカデミー賞の「英国新人賞」は、傑出したデビュー作を担当した英国の脚本家、監督、プロデュ―サーを表彰する賞。18日(現地時間)行われた第75回全米監督組合賞の初長編映画監督賞に続き、連日の受賞となったシャーロット・ウェルズ。今年の賞レースでさらに快進撃をみせそうだ。

■第76回英国アカデミー賞の主な受賞

作品賞 「西部戦線異状なし」
監督賞 エドワード・ベルガー(「西部戦線異状なし」)
主演男優賞 オースティン・バトラー(「エルヴィス」)
主演女優賞 ケイト・ブランシェット({TAR/ター})
助演男優賞 バリー・コーガン(「イニシェリン島の精霊」)
助演女優賞 ケリー・コンドン(「イニシェリン島の精霊」)
非英語作品賞 「西部戦線異状なし」
アニメ映画賞 「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」
イギリス映画賞 「イニシェリン島の精霊」
英国新人賞 シャーロット・ウェルズ