伊藤詩織さん初監督作品 米サンダンス映画祭のドキュメンタリー・コンペ部門に選出

(2023年12月8日13:00)

伊藤詩織さん初監督作品 米サンダンス映画祭のドキュメンタリー・コンペ部門に選出
「Black Box Diries」

性被害を実名で訴えたジャーナリストの伊藤詩織さんの初監督作品「Black Box Diries」が第41回サンダンス映画祭の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門に選出されワールドプレミア上映されることが6日(現地時間)に発表された。伊藤さんは自身のSNSで 「ここまで辿り着けたことに、心から感謝します」と報告した。

伊藤さんは元テレビ局員の男性から受けた性的暴行を実名で告発して民事裁判で争うなどしてきたが、その6年間を同ドキュメンタリーに記録。監督としてデビューした。「新聞記者」などを手掛けたスターサンズや英国の製作会社などが参画しており海外でも公開される。

伊藤さんは自身のX(旧ツイッター)で「サンダンス映画祭で映画デビュー作品となるキュメンタリー「Black Box Diaries」をプレミア上映することが決まりました。153カ国の17435本もの映画の中から選んでいただき、また40周年を記念する今回はおよそ半数が女性の監督だとのこと!ここまで辿り着けたことに、心から感謝します」と報告した。

米Varietyは、ロンドンを拠点とする国際的なドキュメンタリーの販売・制作会社Dogwoofは、伊藤詩織監督の長編ドキュメンタリー『Black Box Diaries』のワールドセールスに乗り出した。この作品は、2024年サンダンス映画祭のワールド・シネマ・ドキュメンタリー・コンペティション部門でワールドプレミア上映されると報じたうえで、「この映画は、監督でありジャーナリストでもある伊藤が、有名な加害者を起訴するため、自身の性的暴行を勇気を持って調査する姿を描いている。まるでスリラーのように展開する本作は、極秘の調査記録、真実の撮影、感動的な一人称映像が組み合わされ、彼女の探求は日本における画期的な事件となり、この国の時代遅れの司法制度と社会制度をあぶり出す」と指摘した。
サンダンス映画祭は米ユタ州パークシティで毎年1月中旬から11日間にわたって開催されるインディペンデント映画を対象とした米国の映画祭。
伊藤さんは、自身の体験をもとに2017年に著書「Black Box」を出版。2020年に米TIME誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。