アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」メイキング映像公開 主演の吉田美月喜が同作を語る

(2024年1月18日17:15)

アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」メイキング映像公開 主演の吉田美月喜が同作を語る
「カムイのうた」の吉田美月喜

アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」(1月26日公開)のメインキャスト陣のメイキング映像が公開された。主人公のテルを演じた吉田美月喜(19)は、メイキング映像で「人生の希望とか人生をかけて何かを進めていく強さがすごく伝わる映画」などと同作について語った。

差別と迫害を受けたアイヌ民族の史実を描いた同作で、若干19歳にして素晴らしい文章力で著作「アイヌ神謡集」を書きアイヌ文化を後世に残し、この世を去った実在の人物・知里幸惠(1903年~1922年)をモデルにした主人公・テルを演じた吉田美月喜。テルに思いを寄せるアイヌ民族の青年一三四を演じた望月歩。テルの伯母を演じ、劇中で民族の叙事詩ユーカラを見事に歌い上げた島田歌穂。ユーカラを日本語で後世に残すために東京へと上京したテルを見守る兼田教授の妻を演じた清水美砂。そして、加藤雅也がテルの人生を変えた言語学者の兼田教授を演じている。
アイヌ民族への迫害の真実は、出演陣の心にも衝撃を与え、主人公の生き様やアイヌ民族の生き様に感銘を受けた様子が、今回解禁されたメイキング映像からうかがわれる。

吉田はメイキング映像で「今回テルを演じてみて、自分自身が今まで関わってきた作品の中で、かなり悲しいシーンとか涙があるシーンが多い役だなっていう風に感じたんですけど、それだけ当時のアイヌの方が、そしてテルがどれだけ大変な生活で辛い思いをしてきたのかっていうのをすごい身にしみて感じた」と振り返った。
そして「1か月間このテルの生涯を演じてきて、私は台本を読んだ時に、何か悲しいなとか、まだ19歳で早いのに、色々やり残したことあったんだろうなっていう風に思いながら、役作りをしていたんですけど、実際亡くなるシーンをやった時に、自分自身が気持ちで、すごいあったかい気持ちになれて、もちろん悲しいんですけど、それだけテル自身も人に愛されて、自分が命を懸けてアイヌのためにやろうと思ったことを、責任をもって最後までできたんだなっていふ風に思うと、なんだかちょっと心が温かくなるような気持ちがしました」と語る。
「わたしも今、知里さんと同じ19歳なんですけど、いつ自分がどうなってしまうかわかんないし、あと今私がこのままもし死んでしまったらやり残したこととか、まだやらなきゃならないいけないことがたくさんあるなっていう風に思ったので、日々、1日1日を本当に大切にして、自分の目標とか信念をもってやり遂げたいことっていうのをちゃんと達成できるように生きていきたいなという風に思いました」と伝えた。
そのうえで「皆さんにも、人生の希望とか人生をかけて何かを進めていくっていう、その強さがすごく伝わる映画だと思うので、是非そういうところを見ていただいて、自分自身を見つめ直すきっかけになって下さったら嬉しいなと思います。ぜひ劇場でご覧ください」と呼びかけた。

アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」メイキング映像公開 主演の吉田美月喜が同作を語る
兼田教授役の加藤雅也
アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」メイキング映像公開 主演の吉田美月喜が同作を語る
兼田教授の妻役の清水美砂
アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」メイキング映像公開 主演の吉田美月喜が同作を語る
テルに思いを寄せる青年役の望月歩
アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画「カムイのうた」メイキング映像公開 主演の吉田美月喜が同作を語る
テルの伯母役の島田歌穂

【物語】
学業優秀なテルは女学校への進学を希望し、優秀な成績を残すのだが、アイヌというだけで結果は不合格。その後、大正6年(1917年)、アイヌとして初めて女子職業学校に入学したが土人と呼ばれ理不尽な差別といじめを受ける。ある日、東京から列車を乗り継ぎアイヌ語研究の第一人者である兼田教授がテルの伯母イヌイェマツを訊ねてやって来る。アイヌの叙事詩であるユーカラを聞きにきたのだ。伯母のユーカラに熱心に耳を傾ける教授が言った。「アイヌ民族であることを誇りに思ってください。あなた方は世界に類をみない唯一無二の民族だ」 教授の言葉に強く心を打たれたテルは、やがて教授の強い勧めでユーカラを文字で残すことに没頭していく。そしてアイヌ語を日本語に翻訳していく出来栄えの素晴らしさから、教授のいる東京で本格的に頑張ることに。同じアイヌの青年・一三四と伯母に見送られ東京へと向かうテルだったが、この時、再び北海道の地を踏むことが叶わない運命であることを知る由もなかった…。

【クレジット】
出演:吉田美月喜、望月歩、島田歌穂、清水美砂、加藤雅也 監督・脚本 菅原浩志 プロデューサー:作間清子 主題歌:島田歌穂 製作:シネボイス  製作賛助:写真文化首都「写真の町」北海道東川町  配給:トリプルアップ Ⓒシネボイス 上映時間:135分 公式サイト:kamuinouta.jp 2024年1月26日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次公開